英ボクシング専門メディア「ボクシングニュース」(ウェブ版)は2025年9月8日、スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、32)の特集記事を公開し、挑戦者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン、30)陣営が井上の「弱点」を指摘したことを報じた。
挑戦者陣営「井上戦は非常に自信がある」
同メディアは「井上の弱点が露呈、アフマダリエフが井上撃破を狙う」とのタイトルで記事を展開。アフマダリエフを共同プロモートする英プロモート大手「マッチルームボクシング」のフランク・スミスCEOのコメントを紹介した。
「マッチルームボクシング」は、世界的なボクシング興行を手がけるスポーツイベント会社で、多くの世界トップ選手と契約しており、アフマダリエフとは共同プロモートという形で契約している。
「ボクシングニュース」の取材に対して、スミスCEOは「井上戦は非常に自信がある」と自信をのぞかせ、「井上という素晴らしい選手との素晴らしい試合だが、我々はアフマダリエフを信じている。何度も言ってきたことだ」と強調した。
そして、「井上選手は確かに素晴らしいが、最近の試合では明らかな弱点も見せている」と指摘した。
スミスCEOが疑問視したのは、井上の「打たれ強さ」だ。
井上は、スーパーバンタム級に転向して以来、防衛戦で2度ダウンを喫している。
「井上を倒すことは、これまで不可能な任務だったが...」
24年5月に東京ドームで行ったルイス・ネリ戦の初回に、ネリの左フックを浴びプロ初のダウンを喫した。25年5月のラモン・カルデナス戦では、2ラウンド目に同じく左フックでダウンを喫した。
井上はライトフライ級からスーパーバンタム級までの4階級を制してきたが、バンタム級まではダウンを喫したことがなかった。ここ4戦で2度のダウンを奪われていることから、海外メディアの中には、今回のアフマダリエフ戦を危惧する意見もある。
「ボクシングニュース」は、「井上を倒すことは、これまでの30人の対戦相手全員にとって不可能な任務だったが、亀裂が生じ始めた。24年5月にルイス・ネリがダウンを奪い、わずか1年後にはラモン・カルデナスが同じようにダウンを奪った。アフマダリエフにとって、これらの隙は攻略の青写真となり得る」と分析した。
アフマダリエフは井上戦に向け、異例の早さともいえる試合3週間前の8月24日に来日。時差などの調整を行い、自身のSNSで順調な仕上がりをアピールしている。