「アフマダリエフ選手は、右リード、右フックをうまく操れるかどうか」
井上はここ4戦で2度のダウンを喫している。井上がプロで初めてダウンを喫したのは、24年5月のルイス・ネリ(メキシコ)との一戦だ。ネリはサウスポーで、初回に左フックで井上からダウンを奪った。
直近5月の試合では、ラモン・カルデナス(米国)からダウンを喫している。カルデナスは右構えだが、左構えにスイッチしたような形で、左フックでダウンを奪った。サウスポーのアフマダリエフは、左フックを得意としており、井上陣営は警戒を深めている。
このような状況の中、金平会長は「カギを握るのはアフマダリエフ選手の右だと思います」とし、その理由に言及した。
「アフマダリエフ選手は、右リード、右フックをうまく操れるかどうか。アフマダリエフ選手の左は、大橋ジム陣営はきっちり対策をしていると思います。あまりに左ばかりを頭に入れていると、右フックが怖い。(マーロン)タパレス戦までさかのぼると、井上選手がいい右フックを結構もらっているのが気になります」
そして、アフマダリエフが井上に勝つパターンとして、次のような展開を予想した。
「アフマダリエフ選手が勝つとしたら中盤までのKO。中盤から終盤になると、どんどん井上選手のペースになっていく。前半の入りが大事。ネリ選手も、カルデナス選手もそうでした。中盤まで突破口が見出せなければ厳しい。もっと言えば、前半の4回まで。ここまでに何かが起きなかったら話にならない。井上選手がどこかで捕まえるでしょう。いくらアフマダリエフ選手が頑丈といっても、井上選手にかかれば、どこかで試合が終わってしまう」
井上はプロデビュー以来、30戦全勝(27KO)と、ほぼ完ぺきなレコードを誇る。一方のアフマダリエフのプロ戦績は、14勝(11KO)1敗。