秋のお彼岸も目前。お墓の数え方や各部の名前は何と呼ぶのか、意外と知らないものだ。仏壇も同じだろう。彼岸をきっかけにそれぞれの数え方だけでも覚えよう。
秋のお彼岸ということで、新聞と一緒に墓地分譲の折り込み広告が配られてくる。見ると、1基何百万円などとあって、「そうか、墓は基と数えるんだったな」と改めて気づく。ほかにも、仏事、神事には独特の数え方がある。
仏壇の数え方はお墓と同じ
お墓はどういう造りになっているか。この際きちんと知ろうと、調べてみた。一家の名前などが刻まれている一番上の部分を竿石(さおいし)といい、仏や先祖の魂が込められている場所とされる。それを上台(じょうだい)、中台(ちゅうだい)、芝台(しばだい)という3層の石の台が地面から支えるので、墓は基礎の「基」で数えられるのだ。
同様に、仏壇も上から「宮殿(くうでん、本尊を安置する場所)」、「須弥壇(しゅみだん、仏の聖域)」、「中段(ちゅうだん、位牌や仏具の置き場所)」、「下段(供え物の置き場所)」の3~4段になっている。やはり下から支えるので、数え方は「基」だ。
その位牌は故人の魂が宿るところという意味で「柱(はしら)」と数える。仏具店などに並んでいるときは「本」だが、僧侶にお経をあげてもらって魂入れをすると「柱」と呼び方が変わる。
仏を数えるときは「尊」。釈迦を「世尊」と呼ぶところからきている。仏像は「一体」「二体」と数える。日本の神は「柱」。大きな古木を神が下りてきたり宿る「御神木」と呼んだためという。
「四十九日」はなぜ49日なのか。故人が亡くなってから7日目の「初七日」から7日ごとに、二七、三七、四七......と法要を行い、7回目の七七法要で本位牌にして極楽浄土に行けるよう祈る。7×7で49というわけだ。
年期法要は三十三回忌が最後、その理由は?
亡くなった翌年が「一周忌」、2年目に「三回忌」と続くが、年忌法要はいつまでやるものなのだろう。多くは6年目の「七回忌」、12年目の「十三回忌」あたりまでで、それも家族だけでということが多いようだ。その後も「十七回忌」「二十三回忌」とあり、「三十三回忌」を弔い上げとして終了するのが一般的。仏教では三十三回忌ですべての人が極楽浄土に行くとされるからだ。
お彼岸ではお墓をきれいに掃除したり洗ったりするけれど、仏壇や仏具も掃除するとされている。今年はやってください。
(シニアエディター 関口一喜)