万博・ポルトガル館に突如現れた大きな「桃」 実は「桃太郎へのオマージュ」の意味も...館長が明かすオブジェの正体

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   大坂・関西万博のポルトガル館の2階部分に、突如「桃」のような形のオブジェが現れたとして、Xで話題になっている。このオブジェはいったい何なのか、ポルトガル館に聞いた。

  • 大坂・関西万博
    大坂・関西万博
  • 桃のオブジェが置かれたポルトガル館。nextkei(@2025banpakuhot)さん提供、編集部で一部トリミング
    桃のオブジェが置かれたポルトガル館。nextkei(@2025banpakuhot)さん提供、編集部で一部トリミング
  • Benoit+Boの「Happy Heads」シリーズの作品。Benoit+Boのインスタグラム(@benoit_et_bo)より
    Benoit+Boの「Happy Heads」シリーズの作品。Benoit+Boのインスタグラム(@benoit_et_bo)より
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  • 桃のオブジェが置かれたポルトガル館。nextkei(@2025banpakuhot)さん提供、編集部で一部トリミング
  • Benoit+Boの「Happy Heads」シリーズの作品。Benoit+Boのインスタグラム(@benoit_et_bo)より

アーティストデュオ「Benoit+Bo」の作品だった

   2025年9月16日にXで、ポルトガル館の写真とともに、オブジェについて「前からありました?」と問いかけるポストが投稿された。写真に写った建物の2階部分、テラスのようになっている場所には、葉のついた桃のようなオブジェが置かれている。これに、「それ私も今日思いました」「ポルトガルに桃太郎が誕生するんじゃろか...」「いつのまに???」といったコメントのほか、前日にはオブジェはなかったという情報も複数寄せられた。投稿者によると、写真は16日15時過ぎに撮影したものだという。

   このオブジェはいったい何なのだろうか。

   ポルトガル館のベルナルド・アマラル館長は9月19日、J-CASTニュースの取材に、「ポルトガルパビリオンにあるのは桃のオブジェです」として、フランスと中国のアーティストデュオ「Benoit+Bo」(漢字では『東波西波』)が制作したものだと説明した。欧州連合(EU)パビリオンの前にも「Benoit+Bo」制作の作品が展示されており、いずれも「9月16日から10月9日まで設置され、その後ブリュッセルの欧州議会でも公開される予定」という。

   2つのオブジェは「Inflatable」というタイトルで、ポルトガルパビリオンの作品は「桃」、EUパビリオンの作品は「大頭仏」という。

写真撮影時には「Happy Heads」のマスクを付けて

   アマラル館長は、Benoit+Bo(東波西波)について、「アジアとヨーロッパのアートを融合させるアーティスト」と説明。EUパビリオンの前には中国やベトナムの「僧・大頭仏」に着想を得た作品が展示されているといい、「桃と大頭仏(EUパビリオン)をモチーフに、遊び心ある外観の中に深い意味を持たせています」とした。

   モチーフとなった桃については、「アジアでは長寿、多産、幸せの象徴、特に日本では民間英雄でもある桃太郎へのオマージュでもあり、中国では西遊記のオペラでも重要な小道具です」と説明した。

   パビリオンでは「来場者は写真撮影ができますが、撮影時には『Happy Heads』というマスクを着け、多様な姿になります」とも。Happy Headsは、Benoit+Boが手がけているシリーズだ。さらに「祭りや儀式、演劇など世界中に普遍的に存在した『仮面』を象徴的な媒介とし、人々と文化をつなぐことを目指しています」と説明した。

   また、万博終了後にブリュッセルの欧州議会に展示されることで「万博とヨーロッパの首都を象徴的に繋げます」と、その意義を説明した。

館長がコメント...Xでの反響に「大変感激しています!」

   Xでの反響について、アマラル館長は取材に次のようにコメントを寄せた。

「ポルトガルパビリオンがソーシャルメディアでこれほど注目を集めていることに大変感激しています!来場者やフォロワーの皆さんが私たちの展示に関心を持ち、その興奮を広く共有してくださっていることは、本当に素晴らしいです」

   続けて、EUとの協力に「とても満足しています」と言及。桃のオブジェについて、「この桃は『多産と幸せ』の象徴です。その鮮やかな色彩は、パビリオンの色合いと見事なコントラストを生み出し、体験をより印象深く、記憶に残るものにしています」と説明。最後に次のようにコメントした。

「こうした温かい反応は、本当に大きな励みになりますし、このショーケースが意味を持つものであることを改めて実感します。それは万博のためだけでなく、人々がポルトガル文化とつながる機会にもなりました」
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