今年(2025年)のサンマは太っていてうまい。水揚げも一時休漁するほど豊漁で、店頭価格は去年のほぼ半値。魚売り場では「1匹220円」なんて値札が立っていて、客は「4本ちょうだい」と買っていく。そのサンマが和食店で塩焼きになると、今度は「1尾700円」と品書きに書かれる。
匹、本、尾......いったいどの数え方が正しいのか。普段はあまり気にしていないが、調べてみた。魚は種類や調理法によってそれぞれの数え方があるのだ。
こんなにある魚の数え方
【匹】魚はすべて「匹」と数えて間違いではないが、とくに生きていたり、さばかれる前の鮮魚を数えるときに使われる。
【本】マグロ、カツオ、ブリなど胴体が長い中大型魚、ウナギやアナゴ、太刀魚のような細長い魚は「本」。小型魚でも、細いマイワシやサンマは本と数えることが多い。
【尾】水揚げされた後の中型から小型の魚の数え方。飲食店では尾と頭が付いた形で供される魚に使われる。伊勢海老や車エビのような高級エビ類、カニも尾で呼ばれることがある。ただ、品書きの表記などでは使うが、日常の会話で「タイを1尾食べた」のように言うことは少ない。
【枚】ヒラメやカレイなど平たい魚。アジなどの二枚に開いたり干物にしたもの、ウナギもかば焼きになると枚だ。鳥取ではカニを枚で数える。
【杯】イカとタコは生きているときは匹だが、食材として売買されるときは杯。カニも店頭や料理店で杯と呼ばれることがある。