自民党総裁選には、小林鷹之・元経済安保担当相(50)、茂木敏充前幹事長(69)、林芳正官房長官(64)、高市早苗・前経済安保担当相(64)、小泉進次郎農相(44)の5人が立候補し、2025年9月22日に党本部で立会演説が行われた。TBS系報道番組「news23」は22日の放送で、AIを使ってそれぞれの演説の内容を分析、ゲストのジャーナリスト・星浩さん(TBSスペシャルコメンテーター)は、「何と言ったかではなく、何を言わなかったかというところを注目してみたらいいと」と語った。
小泉氏は解雇規制見直しに触れず、高市氏は靖国参拝を言わなかった
立候補した5人は1年前の総裁選にも出馬しているが、星さんは「小泉さんは1年前には解雇規制(の見直し)について言及していましたが、今回はなし。高市さんは(首相就任後の)靖国神社参拝しますということを1年前は言っていましたが、今回はなし」と指摘し、「それぞれ尖がったことを言うと議員票が集まりにくいということ」があるので、「国民とか成長とか、だれも反対できないワーディング(言葉遣いや言い回し)を羅列したというのが今回の演説じゃないですかね」という。
キャスターの小川彩佳アナが「1年前に比べ、トーンダウンしている感じですが」と聞く。星さんは「あんまりエッジの効きいたことを言わないで、丸く収まって、何となく支持を広げたいということだけが進んでいるということですよね」と見立てた。政策論争より票集め優先ということだ。
各候補は「解党」を本気で語っていない
今回の総裁選のテーマは「#変われ自民党」で、キャッチフレーズは「解党的出直し」なのだが、手を挙げているのは去年と同じ顔ぶれだし、あくまでも「解党的」であって、「解党」を覚悟して本気で戦うわけでもない。総裁選が終わったら、また仲良く丸く収まろうという本音が透けて見える。これでは、自民党、変わりそうもないな。
(シニアエディター 関口一喜)