「ドサッと」吸殻、生ゴミも...焼き芋用容器「回収BOX」で被害 施設長は難病抱え苦闘1年半、ついに販売断念へ

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福祉活動だったが...9月は100本ほどが犠牲に

   そもそも焼き芋自販機は、農福産業(宮崎県日向市)が障害者の雇用を支援する取り組みで展開している商品だ。障害者施設で芋(紅はるか)の焼き上げから真空パックまで行い、使用後の空き容器は回収・洗浄して再利用する。同社公式サイトによると出雲崎レトロミュージアムは24年1月に導入した。

   館長は、ミュージアムとしても福祉活動で儲けはないという。むしろ容器が不足すれば購入費がかさむことになる。25年9月は100本ほどの容器を回収したが「全部だめで、1本150円ですから...」と嘆き、「8月の時もそうなんです、もう毎月です」と振り返る。ゴミ捨ては若い世代が比較的多く、酷い場合は夜中に行われるとのこと。

   周辺環境の変化も影響したようだ。ミュージアムは国道116号線沿いにあり、館長によると交通量は意外と多い。一方で数十キロの範囲に他の自販機は見当たらず、以前は町内にコンビニ2軒があったが、既に閉店したという。

   車で約5分のコンビニもゴミ問題に困っていたとしながら、コンビニが閉店した途端、捨てる場所がなくなってミュージアムの方へ流れ込んだとみている。

   ただ、同館は回収BOXだけでなく「ゴミ箱」を設置している。「自販機のところにも防犯カメラをつけて、『ゴミを捨てた場合は警察に通報します』という看板まで出して、にもかかわらず平気で捨てていく」──。

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