米ボクシング専門メディア「ボクシングニュース24」(ウェブ版)は2025年9月27日、スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、32)の特集記事を組み、伝説になるには3階級上のライト級王者に挑戦する必要があるとの見解を示した。
直近では最強挑戦者アフマダリエフを完封
井上は、ライトフライ級(48.9キロ)、スーパーフライ級(52.1キロ)、バンタム級(53.5キロ)、スーパーバンタム級(55.3キロ)を制した世界4階級制覇王者だ。
バンタム級、スーパーバンタム級で主要4団体(WBA・WBC・WBO・IBF)の王座を統一。プロ戦績は31勝全勝(27KO)と、ほぼ完ぺきなレコードを誇る。
直近では、9月14日に名古屋で、WBA世界スーパーバンタム級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン、30)と対戦し、3-0の大差判定で王座防衛に成功した。KOを逃したものの、アフマダリエフの強打を完璧に封じ込め、さらに評価を上げた。
26年5月までスケジュールが詰まっており、その後、階級をひとつ上げ、フェザー級(57.1キロ)に転向する計画もある。
このような状況の中、「ボクシングニュース24」は、「井上は偉大なチャンピオンだが、まだ伝説になっていない」とし、井上が「伝説」になるために必要な「挑戦」を具体的に示した。
同メディアが提示したのは、WBC世界ライト級王者シャクール・スティーブンソン(米国、28)への挑戦だ。スティーブンソンは、フェザー級、スーパーフェザー級(58.9キロ)、ライト級(61.2キロ)を制した世界3階級制覇王者で、現在、井上より3階級上のライト級王座を保持している。
「クロフォードは『これで十分』に甘んじなかった」
記事では、9月14日(日本時間)に米ラスベガスで行われたWBA・WBC・WBO・IBF世界スーパーミドル級(76.2キロ)タイトル戦を例に挙げ、井上の今後に言及した。
4団体スーパーミドル級タイトル戦は、王者サウル・アルバレス(メキシコ、35)に、元世界スーパーウエルター級(69.8キロ)王者テレンス・クロフォード(米国、38)が挑戦。2階級下のクロフォードが、3-0の判定で勝利した。
クロフォードはライト級、スーパーライト級(63.5キロ)、ウエルター級(66.6キロ)、スーパーウエルター級に続き、世界5階級を制覇した。プロ戦績は42勝全勝(31KO)。
「クロフォードはスーパーライト級で無敗王者になっても止まらなかった。完成を宣言することもなかった。階級を上げ、ウエルター級を制圧し、アルバレスが現れると、さらに2階級を飛び越えて挑んだ。クロフォードは『これで十分』に甘んじなかった。登るべき場所がなくなるまで、あらゆる疑念が消えるまで登り続けた。伝説はこうして生まれる。井上尚弥も同じ道を歩まねばならない。自らの偉大さを真に信じるなら、ライト級でスティーブンソンと対戦することを熱望すべきだ」
井上は年内に1試合を予定しており、12月27日にサウジアラビアでWBC世界スーパーバンタム級1位アラン・ピカソ(メキシコ、25)を相手に防衛戦を行う。この1戦をクリアすれば、26年5月に世界3階級制覇王者の中谷潤人(M・T、27)と対戦する見通しだ。