自民党総裁選に出馬している小泉進次郎農水相(44)について、側近に不手際があったと週刊文春が立て続けに報じ、小泉氏が釈明に追われる事態になっている。今回、自民党員826人の離党に側近が関わったとされたことについて、小泉氏は、自らは関知していないとXへの投稿で文春に抗議した。周辺の雑音に巻き込まれただけなのか、本人の資質が招いたことなのか、その真相は――。826人離党問題に小泉氏「全く関知しておりません」「ビジネスエセ保守に負けるな」。小泉氏の選対広報班長を務める牧島かれん元デジタル相が、ニコニコ動画でポジティブなコメントを書くよう陣営内で求めた問題では、高市早苗前経済安保相を揶揄するような表現も含まれていた。この「やらせ投稿」問題に対し、小泉氏は2025年9月26日の会見で、牧島氏の事務所の独自判断だったとしたうえで、「一部行き過ぎた表現があった」と認めて再発防止したいと説明した。この問題は、週刊文春が取り上げていたが、今度は、30日のウェブ版記事で、別の側近の不手際を報じた。それによると、高市氏を支援していた前衆院議員が、自ら勧誘した多くの党員に総裁選の投票用紙が届いていないことに気づき、地元の党県連に確認すると、そのうち826人が6月に離党扱いになっていた。その9割超が前回の総裁選で高市氏に投票していたという。県連では、小泉氏の側近に当たる県議の指示があってこの扱いにしたと文春に取材に答えたという。しかし、この県議は、指示を否定し、前衆院議員が落選して党費が集められないため826人の集金用紙を県連に戻しただけだとして、県連の事務的なミスではないかと主張したという。この文春報道を受け、小泉氏は10月1日、直ちにXへの投稿で反論した。826人の離党問題については、「今回初めて知ったところであり、全く関知しておりません」と説明した。そして、報道について、「事実に反する内容を印象付けるもので、自民党総裁選に不当な影響を与えかねない記事であり極めて遺憾です」として、文春側に抗議して記事の訂正を求めることを明らかにした。「陣営に甘く見られており、父親の純一郎には及ばない」小泉氏は、ステマ問題については、支援議員側の判断だったとしながらも、後に「最後の責任は私にあります」と報道陣に説明した。今回の離党問題については、側近の県議が総裁選のために動いたことも否定し、文春に全面対決の姿勢を示している。ネット上では、小泉氏への風当たりも強くなっているが、小泉氏は、周辺の雑音に巻き込まれただけなのだろうか。それとも、自らの資質が招いた部分も何かあるのだろうか。この点について、政治評論家の有馬晴海さんは10月1日、J-CASTニュースの取材に対し、小泉氏が本当に知らなかった可能性はあるとしながらも、こう話した。「進次郎さんは、まだ若いので、何か見つかっても許されると、陣営から甘く見られている部分があるのだと思います。優しい性格もありますし、年上の人から応援されていますので、気を使って叱れないのでしょう。それと、陣営の若さもあるのではないでしょうか。牧島さんは、大臣になりたいと頑張ったのでしょうが、多くの例文のうち、陣営で実際に使われたのは7つだけでした。陣営における気の緩みが目立っており、緊張感が感じられませんね」小泉氏は、「解党的な出直し」を唱えているが、このままでは、自民党が出直すには解党した方が早いと有馬さんはみる。「首相になった父親の純一郎さんは、非情にも反対派に刺客を立てました。裏金議員もそうですが、不手際があれば、除名にするぐらいのことをしないと、自民党は変わったことにならないと思います。純一郎さんの心意気なら、裏金議員は除名して刺客を立てていたでしょう。指導力という点では、進次郎さんは、まだ純一郎さんにはなれていませんね」(J-CASTニュース編集部 野口博之)
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