基準値公表すると「もぐる」リスク
報道陣に配られた概念図には、リスクが低い区分の例として「γ-GTP100未満等」という記載はあるものの、具体的な基準値は社内にも公表しない。検査前だけ対策する、といった動きを警戒しているためだ。
「(資料には)『アルコール関連の健康管理指標を総合的に判断』と書いてあるが、もちろん肝機能にかかわるような数値も重要なリファレンス(参照資料)として見ていくので、ここに数値的なことを書いてしまうと、血液検査のときだけ、そこをクリアするというような、言ってみれば『もぐる』ような行為につながりかねず、本来の健康を維持するという目的から逸脱する可能性を懸念している」(中川氏)
中川氏は
「検査だけで決めることの妥当性がないので、基準の持ち方といったところも、社外の外部のアルコールの専門家のご意見も賜りながら改善していきたい」
とも話した。助言を求める専門家としては、アルコール問題への取り組みで知られるASK、リカバリングマインズ、久里浜病院(久里浜医療センター)の名前を挙げた。