「目標を掲げること」が、人生を楽しくする
今回の転職は、Aさんにとって「胸の内にあるやりたいことが原動力」となったポジティブな挑戦でした。
しかし、それでも転職活動の目標を見失いがちになるものです。彼は、目標を忘れないように「見えるところに張り出す」「アラートを設定する」などの工夫をしていました。
「やりたいことができているから、仕事が楽しい」
Aさんはそう言います。そして、今後、自分が得た知識や経験を活かして「仕事は楽しくない」と感じている生産現場の人々に、モノづくりの楽しさを伝えていきたいと語っていました。
転職活動は、必ずしも転職をゴールにする必要はありません。
「転職活動」と「転職」は別物です。転職活動を通じて自分の市場価値を知り、キャリアの可能性を広げること。その結果、今の会社にとどまるという選択肢もあります。大切なのは、対話でも、市場価値を知ることでも、まずは一歩「行動」してみることだと思います。
Aさんのように、最初から明確な目標を持って転職活動に臨む人はそこまで多くないかもしれません。しかし、だからこそ「少しでも気になるなら、始めてみること」が重要。一歩踏み出すことで、少しずつ自分のことが分かり、それが自信となり、納得のいくキャリア選択につながっていくのです。
【プロフィール】
キャリアアドバイザー 大和航希/理系大学卒業後、最初は機械エンジニアへ。その後、生命保険株式会社にて営業を経験し、リクルートへ入社。キャリアアドバイザーとして、主にエンジニア領域の求職者を支援。転職の失敗も成功も経験しているからこそ、求職者にとって後悔のない選択をしていただくことにこだわりを持つ。