「スキャン放置に故意はありうるが、ミスとの判別難しい」
話題になった行為は、新手の万引きとしても、各地で発生しているのだろうか。
この点について、NPO法人「全国万引犯罪防止機構」の担当者は10月15日、J-CASTニュースの取材に対し、こう話した。
「万引きの手口としては、あまり聞いたことがありませんが、スキャン放置については、故意に行った可能性はあると思います。一方で、高齢者の方が煩わしいとスキャンを途中で止めたことなども考えられるでしょう。故意なのかミスなのか、判然としないところがありますね」
とはいえ、故意であれミスであれ、次の客が被害に遭うなど迷惑がかかってしまうことは事実だ。
「こうしたことを防ぐには、まず店員がセルフレジの客に声かけをしたりすることですね。犯罪を抑止するため、死角がないようにレジを配置することも大切だと思います。レジに防犯カメラを設置するのも有効で、最近は、高性能レジとして、AIの機能があるタイプがあります。食品などの形状をAIで読み込んで、同じものか判別するわけです」
ただ、ハード面の整備は、コストがかかり、店の負担にはなってしまう。
「以前は、重量センサーを設置する店も多かったですが、その大きさがレジのスペースを取ることもあって、今では、設置する店が減っていますね。経費節減は、企業判断になりますが、そのために不正が増えたとすれば、本末転倒になってしまいます。コストを抑えながらも、店側で防犯の工夫を凝らして、不正などをされない対策を取るしかないと思います」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)