「潮時=ものごとの終わり」と考える人が多いけれど 実は10代の多数派は「本来の意味」でとらえている

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引退や別れのタイミングについて使われる

   「潮が引く」イメージが、引退、幕引き、引き際などを連想させたからだろうか。インターネットの情報サイトには当時から「○○選手が代表引退 『今が潮時』」や、「もうこれ以上続かないかも 恋愛の潮時を見極める」といった表現が見られた。

   「『潮時』が来たら『終わり』なのか」と題する文化庁広報誌のコラムは「喜んで迎えるものではない『引退』や『別れ』などのタイミングについて使われることが多いようだ。『ものごとの終わり』という意味で読み取ってしまう人が増えているのかもしれない」と解釈のズレを指摘していたが、それが年月を経てさらに大きくなっている。

   そうしたなかで2024年度の調査結果の年代別をみると、目を引く傾向が一つある。16~19歳で「ちょうどいい時期」(47.7%)が、「ものごとの終わり」(37.4%)をかなり上回っていることだ。若い世代がなぜ世の中の流れに反して、伝統的な意味を選ぶ傾向にあるのだろう。文化庁は言及していないが、学校で辞書にそって「正しい意味」を学ぶことや辞書アプリの影響などが考えられるかもしれない。

   話し手の意図した意味が、聞き手に正しく伝わらないことがままある。投資の「そろそろ潮時ですよ」の指すところについても、しっかり確認するほうがよさそうだ。言葉の意味は一つではない。

(ジャーナリスト 橋本聡)

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