相手応援席を遠く離れたウィング席へ......
こうしたDeNAの企業努力はプロ運営の好例として報じられてきた。
しかし2024年、セ・リーグ3位から下剋上の日本一を果たし、今年も2位で期待されたなか読売ジャイアンツを迎えたクライマックスシリーズ(CS)で、それまで通常レフトスタンドの一部に設けられていた相手チームの応援席をウィング席に移動させたことが、SNSなどで非難の対象となってしまった。
『デイリースポーツ』(2025年10月10日付)報道では、チケット部の担当者の言葉として「我々が選手の背中を押し、チームが勝てる環境を作るため、どうしたら良いか。その中で360度、ベイスターズファンで埋めたい」という理由が挙げられている。
もうひとつ考えられるのは、このCSが興行的に盛り上がるうえ、球団のレジェンドである三浦大輔監督の勇退が伝えられていたことから、ホームゲームである以上、できる限りベイスターズファンを入れたかった、という思いもあったのではないだろうか。
こればかりは、限られた座席をいかに売るかという難しさが露呈したということだろう。
かつては気軽なレジャーだったプロ野球観戦。そのモデル自体の見直しを迫られているのかもしれない。