「これは悪手やろ」ミスした職員を処分方針、異論続々 議会も求めていないのになぜ?長浜市の見解は

「処分の基準を見直しただけで、厳罰化ではない」

   長浜市議会の決議では、職員の事務ミス5件を具体的に挙げている。

   それによると、24年6月は住宅新築支援補助金の処理誤り、同12月は特別児童扶養手当の支給遅延、翌25年2月は介護給付費財政調整交付金の算定誤り、同6月は物価高騰に対応した地方創生臨時交付金の算定誤り、ふるさと納税特例申請データの送付漏れ、が立て続け起きた。

   すべて市民生活に影響が大きいミスばかりだ。そのうちのいくつかは、すでに報道されている事案だ。住宅新築支援補助金については、市議会の決議では、「本来補助金の対象にならない方に対し交付決定を行ったことにより、発覚当時において、人生設計に痛手となる事態を生じさせた」と断じている。朝日新聞の24年7月19日付朝刊記事によると、「補助金受給のため急いで契約した」などとして17世帯が交付決定撤回を拒否し、市が救済に向けて制度改正する事態になった。

   市議会は決議の中で、「これらはいずれも市政に対する市民及び本市議会の信頼を損なうことにつながるものであり、極めて遺憾である」と強く非難し、原因分析を厳密に行うこと、リスク管理を徹底することなどを求めた。

   ただ、ミスを起こした職員への懲戒処分などは、決議では求めていない。

   それにもかかわらず、浅見市長は、なぜ処分を行う方針にしたのだろうか。

   この点について、市の人事課は10月21日、J-CASTニュースの取材に対し、こう説明した。

「市議会の決議には、処分を求める意図はなく、今後事務ミスが起こらないように対策してほしいとのことでした。今回は、事務ミスに限らず、処分の基準を改めて見直したということです。また、原因追究、対策検討、研修を通じて、ミスをなくそうとしています。厳罰化というものではありません。市に寄せられた声については、ご意見として受け止めております」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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