京都市は2025年10月22日、ウェブサイトやSNSで、「京都市、単純ミスも処分対象に厳格化 隠蔽懸念の声相次ぐ」との情報が流れたが、「このような発表や検討は行っておりません」として訂正と注意喚起をした。
京都市の担当者によると、X運営会社にも情報の取り下げを依頼し、すでに削除されている。「正しい情報を届けていただきたい」と話した。
職員が誤情報のニュースを発見、速やかに対応
ミスの厳罰化をめぐっては、滋賀県長浜市で、これまで過失による単純ミスは原則処分しなかったが、ミスの続発を受け、浅見宣義市長が「過失の程度や結果の重大性によって適正な処分を行う必要がある」と、厳罰化の方針を明らかにしていた。これを京都新聞が10月17日にウェブサイトで、「市役所職員の事務ミスを厳罰化へ 単純ミスはこれまで処分対象ならず、市長『時代に即した処分』」という見出しで報じた。
Xでは、20日から21日頃、このニュースが注目を集め、賛否の声や厳罰化することによる懸念点を指摘する声が寄せられた。
Xには、X上で注目を集めているニュースや話題をXと連携した対話側AI「Grok」が要約して「本日のニュース」としてピックアップする機能がある。この「本日のニュース」で、長浜市の事務ミス厳罰化の話題が取り上げられたが、長浜市の出来事であるにも関わらず「京都市、単純ミスも処分対象に厳格化 隠蔽懸念の声相次ぐ」といった、主語が誤った内容の文章で生成された。
京都市の市長公室広報担当の担当者によると、市はこれを受けて21日に、ウェブサイトやX、フェイスブック、LINEといったSNSで訂正と注意喚起をした。21日の朝に職員がX上で「本日のニュース」を確認したことで発覚した。
担当者は、「どこまで拡散されていたかはわからないが、速やかに対応した」といい、市役所への実際の問い合わせやクレームは「特段なかった」という。
また、X運営会社にも情報の削除依頼を行い、13時頃には取り下げ対応も完了していたと明かした。
担当者は今回の件について、「Xには今回速やかに取り下げなどしていただいたが、基本的には正しい情報を届けていただきたいという思いです」と話した。