スマホで日常的に写真撮影をするが、デジタルカメラを所有した経験がない。そんな人も少なくないだろう。スマホに内蔵のカメラは、いまやデジタルカメラ並みの性能を発揮するようになった。光学ズーム機能が搭載され、センサーも大型化。最近ではAIと連携し、自由自在に写真を加工できるようになっている。韓国の「ETNews」によるリーク情報によると、来年(2026年)の発売が予想されているiPhone18Proシリーズのカメラレンズには「可変絞り」が搭載されると憶測されている。この情報が事実でもし実現すれば、iPhoneのカメラ性能は飛躍的に向上するかもしれない。カメラの「絞り」とは?カメラの「絞り値」について説明すると、絞りの大小は「F値」と表記される。これは、ようするに、レンズの穴の大きさのことだ。F値が小さいほど光を通すレンズの穴が大きく、よりたくさんの光を取り込めるようになり、(「被写界深度」と呼ばれるが)ピントの合う範囲が小さくなっていく。一眼レフカメラのレンズは、基本的に、絞りを調節することができる。一眼レフカメラのレンズ(左がF1.7、右がF11)(筆者撮影)たとえば、F2程度に開放できるレンズは一般に「明るいレンズ」と呼ばれ、ピントを合わせた被写体だけがはっきりと写り、そこ以外はぼやける。一方、F値を大きくするとピントが合う範囲が大きくなるため、画面全体にくっきりとピントが合う。この場合、取り込める光の量が少なくなってしまうが、その代わりにシャッタースピードを遅くしたり、ISO感度を上げることなどによって十分な露光量の写真を撮影することができる。レンズの絞り値によって写真の仕上がりが異なる(左がF3.5、右がF16)(筆者撮影)つまり、絞りを調整できると、「背景のぼやけ具合」を自由自在に操作でき、写真表現の選択肢も幅広くなる。「本物のぼやけ」を撮影できるように?iPhoneの場合はどうか。現行のiPhoneのメインカメラは、F1.78で絞りが固定されている。「ポートレートモード」を使えばF値を調整できるが、あくまでもデジタル処理であり、特定の被写体にのみピントを合わせて、その背景を加工する仕組みである。したがって、光学的に「あり得ないぼやけ」が発生してしまうこともある。そこで、もしも可変絞りレンズがiPhone18Proに搭載されるなら、「本物のぼやけ」を撮影できるようになるだろう。だが、iPhoneの限られたサイズのボディに絞り機能を搭載できるのか? 実は、iPhone17発売前にも「可変絞りが搭載されるのでは?」という情報が流れたが、残念ながらこれは「ただの噂」に終わってしまった。また、現時点ではiPhone18Proシリーズが発表されると予想されている2026年9月まで、あと約1年もあるため、過度な期待は禁物だ。(澤田真一)
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