大いに盛り上がっている大リーグ・ワールドシリーズ。優勝争いをしている両チームの呼び方がちょっと話題になっている。弊サイトも含めて、日本のメディアは「ドジャース」だが、テレビプロデューサーのデーブ・スペクターさんは、濁点付きで「ドジャーズ」と呼ぶ。英語での発音は本来「ズ」?2025年10月24日放送の「大下容子のワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)でも、MCの大下容子アナや他の出演者が「ドジャース」と言うなかで、「これだけドジャーズが強いと、(ワールドシリーズも)下馬評では8割がドジャーズ優勝です」とコメントしつづけた。スペクターさんはレギュラー出演の「サンデージャポン」(TBS系)でも、ずっと「ドジャーズ」だ。たしかに英語の綴りは「Dodgers」で、「Dodge」(避ける)に人を表す「er」が付いた「避けるのがうまい人」という名詞に、Sがついた複数形。英語ではRの後に来るSはズと発音する。米イリノイ州シカゴ生まれのデーブさんがしゃべれば、当然、「ドジャース」ではなく「ドジャーズ」になる。ヤンキース、エンゼルス、ブレーブスが「ス」のなぜ同じように、日本では「ヤンキース」「エンゼルス」「ブレーブス」だが、正しくは「ヤンキーズ」「エンゼルズ」「ブレーブズ」になる。なぜ日本ではズがスになってしまうのか。日本人は語尾に「ズ」があると発音しにくいからだろうか。しかし、ワールドシリーズの対戦相手「ブルージェイズ」はズだし、日本のプロ野球チームは「タイガース」「イーグルス」を除けば「ズ」で、とくに言いにくいこともない。ワールドシリーズの全試合を中継放送しているNHKは、「ドジャース」と呼んでいる理由を、放送の用語やことばを研究・検証しているNHK放送文化研究所あたりから説明してほしい。(シニアエディター関口一喜)
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