狂暴なクマを駆除するのに時給があまりにも安過ぎると、長野県内で活動しているハンターの男性が、Xへの投稿で窮状を訴え、反響を呼んでいる。
時給は1500円となっており、牛丼店のアルバイトよりも安いのではないかとの声が上がった。命をかけて出動するハンターに必要な報酬とは――。
「1頭ごとの報奨金もなく、弾薬代も自腹で支払う」
クマが人を襲うケースが各地で続発し、2025年9月からは、市街地での緊急銃猟も始まった。怖くて家から出られないといった悲鳴が住民から上がり、観光地の人出にも影響が出ているとされている。
そんな中で、クマを撃てるハンターが減ってきているとされ、各自治体も対応に頭を悩ませているようだ。
長野県内でハンターをしている「信州ジビエ職人」さん(@nekota_gorou)は10月30日、ハンターが不足するのももっともだとして、県内のある市から提示された報酬額の明細画像を投稿した。
それを見ると、ツキノワグマに対応する報酬額として、2時間で3000円となっていた。つまり、時給が1500円ということだ。
ジビエ職人さんは、「そりゃそーだよね。この時給で命張れって言われてもね」と溜め息をつき、「まあそれでもやるけどさあ」とハンターとして続ける意思を示した。
この投稿は、21万件以上の「いいね」を集め、様々な意見が寄せられている。ジビエ職人さんは、クマを駆除したときの1頭ごとの報奨金もなく、弾薬代も自腹で支払っていると現状を明かした。
ジビエ職人さんは31日、J-CASTニュースの取材に応じ、「うちの地区には、クマが住宅街に出ることは幸いない」とし、リンゴ畑などにクマ用の罠を設置したり、罠にかかったクマの止め刺しをしたりする出動が主だという。それでも、クマを駆除するには、相当の危険が伴っていると明かした。
「罠にかかれば、手順を守って駆除するなら、危険は少ないと思います。しかし、イノシシ用などの罠に誤ってかかった錯誤捕獲では、クマは力強いので、ワイヤーをかけた木をなぎ倒して突進してきたりします。こうした経験は何度もあり、とても身の危険を感じましたね」