鉄道ファンの一部がホームドアからカメラを線路上に出して撮影していたとして、福岡市地下鉄が2025年11月7日、モニター画像を公式Xに投稿し、「危険な撮影行為は絶対ダメ!」と呼びかけている。こうした行為は、1年前にもあったといい、このときは警察にも相談したが繰り返された形だ。地下鉄を運営する福岡市交通局内では、「そもそもホームで撮影禁止にする必要があるのではないか」との意見も出ているという。警笛を鳴らしたが、数秒間撮影を継続黒っぽい服を着た若い男性が、電車がホームに入って来ているにもかかわらず、カメラを差し出している。あと少しで電車と衝突しそうなほどの近さだ。この画像は、福岡市地下鉄が11月7日、男性の顔などの部分は黒く塗りつぶしたうえで、公式Xで投稿した。投稿では、10月24日15時40分に福岡市内の祇園駅ホーム上であったことだとした。それによると、男性は、「試運転」と表示された電車を撮ろうと、ホームドアから線路側へ乗り出してカメラを構えていた。電車の運転士が警笛を鳴らし、非常ブレーキをかけたにもかかわらず、この男性は、数秒間撮影を継続していたという。「大変危険な状態でした」としたうえで、「写真のような行為は絶対にやめて下さい!」と呼びかけている。福岡市交通局の安全推進課は11月7日、J-CASTニュースの取材に対し、このときは、2人が並んで危険な行為をしていたと説明した。写真では、もう1人は重なって見えていない。電車が非常停止した後、駅員が現場を確認しようとしたが、2人は走って逃げたとしている。ホーム上には、他に数人の鉄道ファンがいたが、ルールを守り黄色い線から下がって撮影していたという。「警察との連携を密にして、毅然とした対応を取りたい」この電車は、福岡市地下鉄の中でも、一番古い1000N系の車両で、普段も運行されている。ただ、試運転と表示しているのは珍しかった。「1000N系は、どんどん引退して廃車になっています。鉄道ファンの方は、それを撮っておきたいということなのでしょう。そのお気持ちは理解できますが、撮影の仕方がNGですね」投稿した画像は、ワンマン運転をしている運転士が乗客の乗り降りを確認するために使う車内のモニター映像から取ったという。実は、地下鉄では、24年11月27日も一部の鉄道ファンによる同様な行為があったとXで画像を投稿して、大変危険な状態だったと警告していた。このときは、西新駅のホームドアから線路側へ乗り出して撮影していた。運転士が警笛を鳴らしたが、後ろに下がらず撮影を継続したという。「このときも、同じ1000N系の試運転車両でした。2人が危険な行為をしており、警察にも相談しました。今回は、このときと同じ方かどうかは分かりません。まだ通報などしていませんが、警察との連携を密にして、毅然とした対応を取りたいと考えています」(J-CASTニュース編集部 野口博之)
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