脳の活性化につながる「デュアルタスク」とは何か
新井さんは「一言でいうと加齢によるものは『ど忘れ』です。別の時に思い出すかもしれないし、ヒントを与えられると思い出すので大丈夫」と話す。磯野さんは「私はこれ聞いてだいぶほっとしています。さすがにご飯食べたことは覚えているものね」と晴れやかな表情に戻った。キャシー中島さんも「さすがに60代の時にちゃんと覚えていたこと、当たり前のようにやっていたのが70歳の壁を越えたらできなくなるということが多くなりました」と話した。
新井さんは認知症を予防する生活習慣としてバランスのよい食事と運動習慣が大切だと話す。また、脳の活性化のために「デュアル(二重)タスク」という2つの作業を同時に行うことを提唱する。
たとえば、ウオーキングしながら計算する、歌いながら手足を動かすなどだ。「家事」は「作業をしながら同時進行で脳も考えているのでいい」と勧めた。認知症予防には、脳だけをトレーニングするのでなく、日常生活の見直しが必要だという。
(ジャーナリスト 佐藤太郎)