2025年のオフシーズン、今オフのFA市場で、複数球団の争奪戦が予想されるのがソフトバンクの東浜巨(35)だ。多彩な変化球を駆使する投球スタイル東浜は17年に16勝を挙げて最多勝に輝くなど先発の柱として活躍。22年5月11日の西武戦ではノーヒットノーランを達成したが、近年は若手の台頭もあり登板機会が減少していた。今季は7試合登板で4勝2敗、防御率2.51。ポストシーズンでは日本ハムと対戦したCSファイナル第5戦で救援登板したのみで、日本シリーズは登板機会がなかった。22年オフから結んだ3年契約が今年限りで切れたことから、熟考の末に出場機会を求めて23年に取得した国内FA権を行使した。他球団のスコアラーは、「1軍でまだまだ通用するでしょう。直球が145キロ前後でシンカー、カットボール、スライダー、カーブ、チェンジアップと多彩な変化球を駆使する投球スタイルは、セ・リーグの方が合うと思います。先発陣のコマ不足が課題のヤクルトのほか、巨人とDeNAの動向が注視されます」と話す。実績十分の東浜、先発陣を強化したい球団は今季最下位に低迷したヤクルトは、2ケタ勝利&規定投球回数をクリアした投手が2年連続でゼロ。チーム防御率3.59はリーグワーストだった。奥川恭伸が4勝、高橋奎二が3勝と伸び悩み、先発の柱になる投手が欲しい。実績十分の東浜は獲得に乗り出す価値が十分にある投手だ。また、DeNAも先発の柱だったケイ、ジャクソンの去就が不透明で、バウアーの退団も決定的となっている。V奪回に向けて先発陣の強化が大きなポイントだ。巨人は今オフにFA権を行使した松本剛(日本ハム)、則本昂大(楽天)の獲得に乗り出していることがスポーツ紙で報じられた。FAでBランク以上の選手は2人以内しか獲得できないが、則本はNPBだけでなくメジャー挑戦を視野に入れている。先発候補として東浜の獲得に向けて調査する可能性が考えられる。ソフトバンクは宣言残留を認めているが、獲得のオファーが来れば他球団移籍が現実的な選択肢になる。35歳右腕が野球人生の岐路で下す決断は――。(中町顕吾)
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