プロボクシングのWBO世界フェザー級王者ラファエル・エスピノサ(メキシコ、31)が、フェザー級王座統一戦に向け、「井上尚弥はまだ階級を上げない」として他団体王者に対戦をアピールした。「なぜ他のフェザー級王者との対戦が実現しないのか理解できない」エスピノサは2025年11月16日(日本時間)、地元メキシコのサンルイスポトシで同級9位アーノルド・ケガイ(ウクライナ、33)と防衛戦を行い、11回TKO勝利で4度目の防衛に成功した。試合は、フェザー級としては規格外の身長185センチのエスピノサが、体格を生かして初回から主導権を握った。長身から繰り出されるパンチはしなやかで、手数も多い。顔面、ボディーと次々にパンチを打ち込み、エスピノサのペースが続く。そして迎えた11回、開始早々にケガイが棄権して試合終了。一方的な試合で王者が王座を堅守した。試合後、エスピノサは、米ボクシング専門メディア「ボクシングシーン」(ウェブ版)の取材に応じ、他団体フェザー級王者に王座統一戦を呼びかけた。「ボクシングシーン」によると、エスピノサは「なぜ他のフェザー級王者との対戦が実現しないのか理解できない。26年は王座統一戦を最優先課題とする」とのプランを明かした上で、スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、32)の名を出し、他団体王者を牽制した。「フェザー級には統一王者が必要だ」エスピノサは「(フェザー級王者の)誰も井上尚弥を待っていない。彼はまだ階級を上げないのだから、その言い訳は通用しない。フェザー級には統一王者が必要だ」と主張したという。フェザー級の1階級下のスーパーバンタム級王者である井上は、12月27日にサウジアラビアで、WBC同級2位アラン・ピカソ(メキシコ、25)を相手に防衛戦を行う。ピカソに勝利すれば、26年5月に東京で世界3階級制覇王者・中谷潤人(M・T、27)と対戦する予定。井上は将来的にフェザー級転向を視野に入れているが、転向は早くても中谷戦以降となり、時期に関しては不透明だ。現在、フェザー級にはエスピノサ以外に3人の正規王者が存在する。WBAはニック・ボール(英国、28)、WBCはスティーブン・フルトン(米国、31)、IBFはアンジェロ・レオ(米国、31)が王座を保持。WBA王者ボールは、井上との対戦を望んでおり、実際、12月の対戦候補に挙がったが、井上陣営が軌道修正した。フェザー級統一王者を目指すエスピノサは、「俺のチームに働きかけて、彼ら(他団体王者)をリングに立たせるつもりだ。実現さえすれば、順番はどうでもいい。彼らは明らかに互いに戦いたがっていない。だから俺が全員を追いかける」と意気込みを語ったという。
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