「猫型配膳ロボット」お値段370万円の働き者 飲食業界でロボットが不可欠な存在になる日

   客席の間をぬって進む猫型ロボット。到着すると「ご注文のお料理をお持ちしましたにゃ!」と音声で案内する。幼い子どもが「猫ちゃん、来たよ」とはしゃぐ。

   この猫型ロボットは、中国企業が開発した「BellaBot(べラボット)」だ。客席と厨房を往復し、配膳や下げ膳をする。外食大手すかいらーくグループは「しゃぶ葉」「ガスト」など系列の約2100店に約3000台を展開している。ECサイトで参考価格1台370万円とされている。

  • ネコ型配膳ロボット「BellaBot」(プレスリリースより)
    ネコ型配膳ロボット「BellaBot」(プレスリリースより)
  • 炒め調理ロボット「I-Robo2」(プレスリリースより)
    炒め調理ロボット「I-Robo2」(プレスリリースより)
  • ネコ型配膳ロボット「BellaBot」(プレスリリースより)
  • 炒め調理ロボット「I-Robo2」(プレスリリースより)

配膳ロボットに「満足」は9割、「お子様からの評判が良い」

   ロボットが加わると仕事ぶりはどう変わるのだろう。猫型などのロボット導入支援を行う「DFA Robotics」社は2024年4月、配膳ロボットと一緒に働く飲食店ホールスタッフ101人を対象に実態調査をした。それによると、導入に「満足している」との回答が86%、およそ10人中9人に上った。

   理由は「配膳・下げ膳業務の負担が減った」66.3%、「他の業務に時間を使えるようになった」49.5%などが多かった。自由回答で「お子さまからの評判が良い」「クレーム対応が減った」といった声も寄せられたという。

DFA Roboticsプレスリリースより
DFA Roboticsプレスリリースより

   このように人とともに働く目的で作られたロボットは、工場の産業ロボットと区別して「サービスロボット」と呼ばれる。その舞台は、全日空(ANA)の空港ラウンジ、観光地のホテルや旅館、温浴施設、回転寿司などに広がりつつある。

   サービスロボットの世界市場を調査した「富士経済」社は、2025年8月の報告で、商業・サービス業分野について「市場は2025年に前年比17.9%増の2,105億円が見込まれる」と拡大を見通している。

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