こじれなかったのは気持ちを整えて話せたから
その後は大きな問題もなく、散歩コースを変える人や、ペットボトルの水をかけていく人が増えた。
ただ、一度だけ危うい場面があったそうだ。別の飼い主が家の前を通ったとき、声をかけようとしたものの......。
「その日は自分の機嫌がよくありませんでした。この状態で話すと、不満が伝わってしまうと思い、挨拶だけにしたんです」
その判断が、結果的にトラブルを避けたのではないかと話す。
「表面上だけていねいにしても、心の中が荒れていると伝わってしまう気がします。とくに近所付き合いにおいては、落ち着いた気持ちで向き合うのが大事だと感じました」
山本さんは今も、家の前を歩く犬たちを見守りながら、穏やかな日常を取り戻している。