参政党の梅村みずほ参院議員が2025年11月27日の参院厚生労働委員会で、「土葬の原則禁止」を訴える中で、宮内庁が過去に発表した葬送方法をめぐる上皇ご夫妻のお気持ちを引き合いに出し、「土葬を拡大させるということは陛下のお気持ちとは真逆の発想ではないか」などと発言した。これに対しSNSでは、「天皇陛下の政治利用」ではないかといった批判の声が寄せられている。「ご発想が平和だなと」...厚労相の答弁を批判梅村氏は、外国人に配慮して土葬墓地を整備してほしいとの要望があるとの背景を説明したうえで、「むしろ日本の環境変化を鑑みれば、公衆衛生上、より一層の土葬規制さえ必要と考える」と訴えた。これに対し、上野賢一郎厚労相は、「各自治体におきまして、地域の実状に応じた必要な規制が行われるものと考えている」とし、状況の変化に応じて法律の検討をする可能性もあるとしつつ、「現在、土葬を禁止するということは考えていない」とした。この答弁に梅村氏は、「政治っていうのは遠く遠く先々のことも考えて今できること、今やらねばいけないことを考える必要があると思うんですよ。今の大臣のご答弁というのは、大変信辣な言葉で申し訳ないんですけども、ご発想が平和だなと思っております」と非難。続けて梅村氏は、13年11月に宮内庁が発表した「今後の御陵及び御喪儀のあり方についての天皇皇后両陛下のお気持ち」を引き合いに出した。これは、当時の天皇、皇后両陛下(今の上皇ご夫妻)が、今後の御陵や御葬送について「極力国民生活への影響の少ないものとすることが望ましいのではないか」といったお気持ちを示したものだ。例えば、両陛下は御陵用地に限りがあることから、今後は御陵を従来よりもやや縮小することを望んだことなどが伝えられている。そのなかで、「火葬の場合は御陵の規模や形式をより弾力的に検討できるということ」「今の社会では,既に火葬が一般化していること」「歴史的にも天皇皇后の葬送が土葬,火葬のどちらも行われてきたこと」から、今後の御葬法としては火葬がふさわしいとのご意向も伝えている。これを受け、宮内庁はこれまでの土葬から火葬に変更する方針を決定した。土葬拡大は「日本国としても決してあってはならない考え」梅村氏はこの「今後の御陵及び御喪儀のあり方についての天皇皇后両陛下のお気持ち」について、「ご在位のおりの上皇・上皇后両陛下の国民への寄り添い、深いお気持ちに触れることができる」と話し、「土葬を拡大させるということは、こうした陛下のお気持ちとは真逆の発想ではないかと私は考えるし、国民感情を鑑みても日本国としても決してあってはならない考えだと思っている」と主張した。一方、上野厚労相は、「皇室におけるご葬送につきましては、皇室において適切に対応されるものと承知している」とした。梅村氏は、「承知しているかどうか聞いてるんじゃないんです」と切り返し、「両陛下がご在位のときにこれほどまでに国民のこと、我が国のことを考えてくださっているってことがお示しになられているのに、私たちは押しの強い意見をダクダクと飲んでいかなくてはいけないんですか?」と強く訴えた。この一連のやり取りがXで拡散され、梅村氏について「『天皇陛下の政治利用』。政治家が絶対にしてはならないこと」「天皇がどう思ってるかどうかが、国の政策に影響すべきではない」「両陛下を政治利用すんな」といった批判の声が寄せられている。
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