「なんで兄貴だけ...」30年前に父が兄へ高額贈与で兄弟仲を破壊 今回の母死去で弟が「起こした行動」

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相続争いを深めないために

   今回の事例からわかるのは、過去の贈与や親の判断が長く家族の心に残ると、相続の場で争いが激化するということだ。親が元気なうちに財産の整理を行い、贈与の意図や理由を家族で共有しておくことが重要である。介護や生活支援の負担、金銭のやり取りも記録として残し、家族で確認しておくことで、のちの誤解やトラブルを減らせる。

   相続争いを防ぐには、財産の整理だけでなく、家族関係の整理も欠かせない。遺言書を作成して、過去30年にわたる贈与や負担の差を明確にしておくことで、争点の曖昧さを減らせる。早い段階で話し合いの場を設けて、長年積み重なったわだかまりや、感情のもつれを少しずつ解消しておくことも有効だ。

   相続は、家族の歴史を映す鏡であり、30年という長い時間を経て残るわだかまりも、事前の準備と冷静な対話で和らげることができる。これが、家族の関係を守る最大の手段となる。



【プロフィール】
石坂貴史/証券会社IFA、AFP、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、マネーシップス運営代表者。「金融・経済、住まい、保険、相続、税制」のFP分野が専門。

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