「対話が通じる相手ではないと、すごく感じる」 中国がレーダー照射を正当化「この海域にいることを常態化したい」

   中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射問題で、中国側は中国軍と自衛隊の無線交信を発表するなどして今回の問題を正当化する動きを見せている。

   2025年12月10日の情報番組「サン!シャイン」(フジテレビ系)に出演したキヤノングローバル戦略研究所上席研究員の峯村健司さんは「中国は必ずこのような証拠を持ってくる。証拠を公開して国際世論を味方につけようとする」と中国の手法「サラミスライス戦術」について触れた。

  • 中国の常套手段「サラミスライス戦術」とは?
    中国の常套手段「サラミスライス戦術」とは?
  • 中国人民解放軍公式X(@ChinaMilBugle)より
    中国人民解放軍公式X(@ChinaMilBugle)より
  • 中国の常套手段「サラミスライス戦術」とは?
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気づかれないように既定事実化する

   「日本側もこういう対策をしないといけないが、今回照射されたF15はドライブレコーダーのように、証拠として採用する映像を撮る装置を持っていない。今までよく映像が公開されたりするのはパイロットが自動運転モードに換えてカメラで」と言うとMCの谷原章介さんは「自分で撮っているんですか!」と反応して「はぁ」とため息をついた。峯村さんは「それ自体がもう(中国に)負けているので、自衛隊も証拠をとる、ということをやるべきだ」

と話した。

   また、5日から8日にかけて日本近海で中国の空母「遼寧」から戦闘機などが発着艦した回数が延べ約140回になったと防衛省が発表。峯村さんは、これこそがサラミソーセージを気づかれないように薄く切っていくようにして既定事実化する、中国の戦術「サラミスライス戦術」だと話す。

「中国の狙いはこの海域にいることを常態化したい」

と、その意図を指摘。1992年に始まった尖閣諸島問題のときも、その後たびたび日本の領海に侵入しているという。峯村さんは「頻繁に領海侵犯することで初めは新聞やテレビも取り上げていたが(侵犯の回数が増えるにつれ)報道もあまりされなくなり常態化してきた。それが中国の狙い」と話した。

中国はトランプ大統領のディール好きを見透かしている

   南シナ海ではベトナム、オーストラリア、フィリピンなど各国と中国の間で摩擦が起きている。峯村さんは「南シナ海で起きていることが、少し遅れて東シナ海でも起きている。私たちも南シナ海で起きていることに関心をもって見ることが必要だ」と話した。谷原さんは「対話が通じる相手ではないと、すごく感じる。太平洋関係国としっかり連携をとっていかなければいけませんね」と話した。峯村さんは「中国は一番のライバルのアメリカをみている。トランプさんは中国とディールをしたがっているというのを見透かして日本に対して押してきている。日米がしっかり協力する必要がある」と静観状態に近いアメリカに対して注文をつけた。

(ジャーナリスト 佐藤太郎)

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