プロ野球、現役ドラフトが2025年12月9日に開催され、12選手の移籍が決まった。イースタン・リーグの盗塁王、楽天→広島に移籍その実績はさまざまだ。ソフトバンクから楽天に移籍する佐藤直樹は今季自己最多の104試合出場。リーグ連覇の立役者となった。佐藤を放出したソフトバンクはロッテから左腕の中村稔弥を獲得。主にリリーフで通算99試合登板している。一方で1軍での実績が皆無に近い選手も。獲得した球団は伸びしろに大きな期待を込めている。楽天から広島に移籍した辰見鴻之介はその一人だ。辰見は西南学院大から22年育成ドラフト1位で楽天に入団。同大学からドラフト指名は43年ぶりだった。23年7月に支配下昇格すると、1軍デビューした24年3月31日西武戦(楽天モバイル)で強烈な爪痕を残した。小深田大翔の左翼への浅い犠牲フライで本塁にヘッドスライディングで生還する好走塁。決勝点を踏んでサヨナラ勝利を飾り、当時の今江敏晃監督の就任後初勝利に貢献した。25年はさらなる飛躍が期待されたが1軍出場なし。イースタン・リーグでは88試合出場で打率.280、8打点、31盗塁をマークし、盗塁王を獲得した。「単純に足の速さで言えば、周東佑京に匹敵するレベルです。プロに入って走塁技術を磨きましたし、広島で大きな武器になるでしょう。打撃もきっちり振れる選手なのでリードオフマンとして覚醒する可能性を秘めています」(楽天の球団関係者)また、中日がDeNAから獲得した濱将乃介もスピードが武器の選手だ。22年にドラフト5位で入団すると、プロ3年目の今季は1軍デビューを飾るなど5試合出場。ウエスタン・リーグでは93試合出場して打率.258、24打点、15盗塁を記録した。俊足強肩の外野手で、バットコントロールの巧さにも定評がある。DeNAは今オフに中堅のレギュラーだった桑原将志が西武にFA移籍した。外野の定位置を巡る競争が熾烈になる中、濱はアピールできるか。新たな挑戦が始まる。(中町顕吾)
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