2025年12月5日に行われた、2025年にTikTokで活躍したクリエイターを表彰するイベント「TikTok Awards Japan」が大々的に各メディアで報じられるなど、国内での「TikTok熱」は上昇中だ。その一方で、ここ数日「TikTokの収益化を停止された」と報告する日本人インフルエンサーが続いた。いったに何があったのか。
インフルエンサーの報告相次ぐ
格闘家エンターテインメント「BreakingDown」への出場経験もある元ラグビー選手・ノッコン寺田さんは12月10日、自身のYouTubeチャンネルで「最悪なことが起きた。収益源の一つであるTikTokの収益、はがされた」と報告。また、TikTokフォロワー約80万人の「ゆきんぴch」も、TikTokの動画内で「1分動画の収益が剥奪されました。もともと1分動画は収益化されてて、それで収益を得てたんだけど、突然このような警告が来て。『非オリジナルコンテンツのため、1分動画の収益化はされません』って来ました」と語っていた。
TikTokフォロワー約16万人のYouTuberグループ「あるてぃめっとよにん!」もTikTokの動画で、メンバーの村上さんが「TikTokの収益化が停止されました」と話し、「公開されている動画数が少ない」という理由から収益化が停止されたと紹介。ただ、村上さんは「(投稿している動画は)めっちゃ多いんだけどね」と釈然としない様子を見せる。その後、「12月の頭にですね、TikTokの規約がガラッと変わったらしくて、それに伴ってTikTokのAIがバグっちゃったんじゃないかなって思ってるんです」と見解を示した。
TikTokの収益に関するルールは「ブラックボックス」となっているため、明確な理由は不明。村上さん同様、ネット上ではTikTokの仕様変更を原因と考える声も散見された。一方で、「TikTokの収益化剥奪の原因もそりゃ高市政権ですって」という憶測もなされた。
高市早苗首相の台湾有事発言の影響により、日本人アーティストの中国公演が相次いで中止されている。そして、TikTokは中国発のSNSであることから、この発言の余波がTikTokにまで影響しているのではないかという見方だった。
「ご迷惑とご心配をおかけしましたことをお詫び申し上げます」
今回の騒動を受け、TikTok Japanは12月11日、公式Xを更新。「12月4日(木)~10日(水)にかけて、収益化プログラム『Creator Rewards Program』のシステムエラーにより、一部クリエイターの動画で報酬が正しく支払われない事象が発生しました」と説明した。
また、「現在、原因となったエラーは修正済みで、影響を受けた動画については順次、適切な審査と対応を進めています」とし、「クリエイターの皆さまにご迷惑とご心配をおかけしましたことをお詫び申し上げます」と謝罪した。
この報告を見ると、「高市首相の台湾有事発言は一切関係ない」といえる。ただ、今回の一件で、SNSで収益を得ることの怖さ、さらには高市首相への批判が起きたことを鑑みると、日中関係の緊張がTikTokにも波及しかねないことが改めて浮き彫りになった。
【お知らせ】
— TikTok Japan【公式】ティックトック (@tiktok_japan) December 11, 2025
12月4日(木)~10日(水)にかけて、収益化プログラム「Creator Rewards Program」のシステムエラーにより、一部クリエイターの動画で報酬が正しく支払われない事象について。
詳細につきましては、添付の画像をご確認ください。 pic.twitter.com/fwiO14sssi