なぜ巨人は優勝できなかったのか 元コーチは「練習不足」指摘...リーグ3位は「あってはならない成績」

   プロ野球巨人の元コーチで野球解説者のデーブ大久保氏(58)が、2025年12月11日に公開された元プロ野球選手の小林至氏(57)のユーチューブ動画に出演し、巨人が今季リーグ優勝できなかった理由について分析した。

  • 巨人の本拠地・東京ドーム
    巨人の本拠地・東京ドーム
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「オフに40億円を投資した。それで負けてはだめなんです」

   阿部慎之助監督(46)就任2年目の今シーズンは、リーグ2連覇を目指すも70勝69敗4分けの成績でリーグ3位に終わった。

   クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージでは、リーグ2位のDeNAに2連敗を喫して敗退した。セ・リーグは、リーグ優勝を果たした阪神が、CSファイナルステージを制し、日本シリーズに進出した。

   現役時代、巨人でプレーし、23年シーズンに原辰徳監督(67)のもと1軍打撃チーフコーチとしてチームを指導した大久保氏。今シーズンの巨人について、次のように持論を展開した。

   「はっきり言って、1勝しか勝ち越していないというのは、起きてはいけない成績。去年優勝して、オフに40億円を投資した。それで負けてはだめなんです。『阪神が強かった』ではなく、巨人が勝てなかった。総評すると、投・打・走・守のすべてに課題がある。すべてが全くかみ合わなかった1年だった。選手個人のポテンシャルは高いが、それを使いきれないという印象が強い」

   大久保氏はチームが勝ち切れなかったひとつの要因に守備を挙げた。今シーズン、リーグワーストの78失策を記録した。大久保氏は、大リーグのロサンゼルス・ドジャースに所属するユーティリティプレイヤー、ムーキー・ベッツ選手(33)の名を出し、守備の重要性について力説した。

「ベッツ選手は基本練習がすごい。絶対に毎日やっている」

   「巨人には守備能力が高い選手がいっぱいいるが、試合の流れを左右するエラーが多かった。練習不足です。球際は根性では捕れない。(練習を)数多くやっていれば、ちょっとした変化にも対応できる。イレギュラーに対応できる。例えばベッツ選手は基本練習がすごい。絶対に毎日やっている。毎日やっている人が日本にいますか?」

   そして、打撃に関して言及した。

   「打撃はチーム打率がリーグトップで、得点が3位だった。得点圏打率も3位で悪くなかったが、走塁が下手だったと結論付けてもいいくらい。1番の誤算は、岡本和真選手の離脱だったが、得点パターンが少なかった。おそらく、他チームの指示は『シングルヒットならいいよ。動きがとれないから』と。『ホームランもソロならOK』だったと思う」

   MCの小林氏から「V奪回のために変えるべきポイントはどこですか?」と問われると、次のような見解を示した。

   「まずは守備。それと攻撃パターンを増やすこと。岡本和真の代わりはいないから。守備ではエラーしないように、徹底して練習をさせる人が出てくるか。ピッチャーのチーム防御率は、リーグのほぼ平均だが、先発の平均イニングが5.4回。(絶対的なリリーフがいる)8回、9回までつなぐことができない。練習が足りないから、8月、9月で全員が負けて来る。やっぱり練習しているチームは体力があるから強い」

   来シーズン3年目となる阿部巨人。果たして巻き返しなるか。今オフの戦力補強が注目される。

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