35年までに「食品強化型ドンキ」300店
その成長戦略の柱として打ち出されたのが、「食品強化型ドンキ」の大規模展開だ。26年6月期下期からピアゴ店舗の業態転換でスタートし、35年6月期までに200~300店舗まで拡大する計画だ。
新業態は売り場面積の6割を食品に投資し、生鮮食品や日配品、冷凍食品などを充実させる。現在のドン・キホーテは非食品が65%を占めるが、新業態ではこれを25%に抑える。食品で集客し、利益率の高い非食品でも収益を確保するドラッグストア業界の「フード&ドラッグ」型に似たビジネスモデルだ。
35年6月期の目標は売上高6000億円、営業利益360億円、営業利益率6.0%。スーパーマーケット業界で見ると、300店という数字は西友やヤオコーを上回り、マルエツやライフに迫る規模だ。スーパー大手の一角を占めることになる。
この戦略転換の契機となったのが、17年に総合スーパー(GMS)のユニーを持ち分法適用会社にし、19年には完全子会社化したことだった。それまで「売っていないものはない」とまでいわれた幅広い品揃えを特徴とするドン・キホーテが、ユニーとの複合店舗をオープンするなどして食品販売のノウハウを吸収してきた。
18年には食品売り場を強化した「MEGAドン・キホーテ UNY」1号店をオープン。その後も店舗数を拡大させ、現在ではMEGAドン・キホーテが143店、MEGAドン・キホーテUNYとドン・キホーテUNYが計62店まで増加している。従来型のドン・キホーテでも食品売り場の拡張や生鮮品の品揃え充実を進めてきた。
節約志向が高まる中、食品を安く買えるフード&ドラッグ型のドラッグストアへの関心は高まっており、食品強化型ドンキにも高い支持が集まる可能性がある。