3~4月にクマとの接触が活発化「十分ある」
なぜ冬眠しないのか。クマの生態に詳しい岩手大学農学部准教授の山内貴義さんによると、「人里のえさに依存しすぎたから」だという。今年のクマの異常な行動をみると、今後もスキー場に現れる可能性はゼロではないと指摘する。
さらに、南魚沼市での親グマからはぐれた子グマについても話題が集中。佐々木さんが「はぐれてしまった子グマというのはこのまま冬眠しないこともあるのか」と山内さんにたずねた。山内さんは「映像の子グマはおそらく今年生まれた子グマで、本来は親と一緒に冬眠に入るが(親がいないと)冬眠の入り方もわからないので、おそらくずっと徘徊し続けるのかなと思う」と答えた。
谷原さんは「今年の漢字のように春、夏、秋、冬と1年中クマの出没が話題になったが来年も(冬眠から覚めた)3~4月前後からクマとの接触が活発化する可能性はありますか」と不安そうに山内さんにたずねた。山内さんは「十分あると思う。今年これだけクマが出没して里のおいしいものを学習した個体が非常に多くなった。来春はかなり警戒した方がいい」と注意を呼びかけた。
「熊」は一時的な話題ではなく、常態化した社会問題と言える。
(ジャーナリスト 佐藤太郎)