駐日フィンランド大使館は2025年12月15日、「ミス・フィンランド」に選ばれた女性の「つり目」のジェスチャーに見える画像が拡散され、ミス・フィンランドをはく奪されたことに端を発する問題をめぐり、「政府は、平等と差別撤廃を推進し、人種差別と闘うことに尽力しています」とする声明をXで発表した。政治家らの「つり目」投稿が波紋、署名も立ち上がる25年のミス・フィンランドに選ばれたサラ・ザフチェ氏が目を細めるように両目を引っ張っている画像が、アジア人を揶揄する「つり目」のジェスチャーではないかとしてSNS上で拡散された。サラ氏はインスタグラムで「決して私の意図したものではありませんでした」などと謝罪したが、11日にミス・フィンランド公式インスタグラムは、サラ氏のミス・フィンランドの称号をはく奪すると発表した。その後、フィンランドの国会議員、ユホ・エーロラ氏らが「つり目」に見えるポーズの写真をSNSに投稿。また、国会議員、ヨアキム・ヴィゲリウス氏はXに、サラ氏のキャリアは「台無しになった」として「SNSの糾弾キャンペーン」を非難する長文を投稿した。ほかにも政治家がサラ氏の仕草は人種差別にはあたらないとするコメントを投稿している。こうした投稿や画像がX上で拡散され、アジア人に対する人種差別ではないかとして波紋を広げている。オンライン署名サイト「Change.org」では、政治家らのこうした行動に抗議し、アジア人差別の実態調査と改善を求める署名も立ち上がっている。16日時点で9400筆超の賛同が集まっている。政治家らの発言は「政府の公式見解を構成するものではありません」駐日フィンランド大使館のXは15日、「ここ数日、フィンランド大使館には人種差別へのフィンランドの取組みに関し、数多くの意見や質問が寄せられています」と明かした。そのうえで、「個々の政治家の発言は、フィンランド政府の公式見解を構成するものではありません」と見解を発表した。「政府は、平等と差別撤廃を推進し、人種差別と闘うことに尽力しています」とした。続けて、「人種差別はフィンランド社会において依然として課題であり、その解決には継続的かつ断固たる努力が必要です。人種差別や差別に関する経験や知見を、公の場で議論することが重要だと考えています」とコメントした。
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