韓国スポーツメディア「スポーツ朝鮮」が2025年12月15日、大リーグのサンフランシスコ・ジャイアンツに所属する「韓国のイチロー」イ・ジョンフ外野手(27)の特集記事を組み、大リーグでのプレーに関して「まだ疑問符がいっぱいだ」との見解を示した。
「ジャイアンツが元MVP選手の獲得を狙う」
韓国プロ野球(KBO)リーグで8年間プレーしたイは、23年オフにポスティングシステムを利用してジャイアンツに移籍。米メディアによると、6年総額1億1300万ドル(約164億円)の大型契約を結んだという。
大リーグ2年目の今シーズン、センターのレギュラーとして150試合に出場し、打率.266、8本塁打、55打点、10盗塁を記録した。1年目の昨シーズンは、5月に左肩を負傷して戦線離脱したため、今シーズンが実質1年目のシーズンだった。
KBOリーグ時代は安打を量産し、2年連続で首位打者のタイトルを獲得。韓国メディアは、大リーグでの活躍を期待するが、打撃で結果を残せていない。守備でも精彩を欠くプレーがあり、ポジション変更の可能性を指摘する米メディアも。
来シーズン、チーム内での厳しい競争が予想される中、「スポーツ朝鮮」は「ジャイアンツは1663億ウォン投資を後悔?イ・ジョンフ、危機か...元MVP選手の獲得を狙う」とのタイトルで記事を展開した。
同メディアは、ジャイアンツが今オフ、ニューヨーク・ヤンキースからフリーエージェント(FA)となった、コディ・ベリンジャー外野手(30)を獲得する可能性について言及した。
ベリンジャーは17年にロサンゼルス・ドジャースで大リーグデビューを飾り、同年に打率.267、39本塁打、97打点を記録して新人王のタイトルを獲得した。19年には打率.305、47本塁打、115打点をマークしてMVPに輝いた。
「韓国では大きな問題にならなかった守備が不安定」
22年オフにシカゴ・カブスに移籍。24年オフにトレードでヤンキースに移籍し、今オフにオプションを行使してFAとなった。ジャイアンツが獲得すれば、同じ外野手のイの強力なライバルとなる。
「スポーツ朝鮮」は「大リーグにおいてイ・ジョンフには、まだ疑問符がいっぱいついている。初年度は肩の負傷で37試合しか出場できず評価が難しかった。今年が実質初のフルタイムシーズンとなったが、球団が期待した成績には明らかに届いていない。韓国では大きな問題にならなかった守備が不安定で、苦労したシーズンでもあった」と指摘し、こう続けた。
「イ・ジョンフは、1億1300万ドルの投資が妥当か懸念する視線を依然として払拭できていない。これまでイ・ジョンフを押し出すほどの特級外野手がチームにはいなかったが、ベリンジャーが合流すれば話は変わる。せめてもの救いは、ベリンジャーがセンターよりもライト、レフトの経験が豊富な点だ。ドジャース時代からベリンジャーは、卓越した守備力を誇り、特に強肩である」
米メディアによると、ベリンジャーの代理人であるスコット・ボラス氏は、ウィンターミーティングで「ベリンジャーに8球団が関心を示している」と明かしたという。
ボラス氏が明かした8球団は、元所属チームのヤンキース、ジャイアンツ、フィリーズ、レッズ、メッツ、ドジャース、ブルージェイズ、エンゼルスだという。