青森県庁「カスハラ対策」で通話録音を宣言 毅然対応に支持の声続々

   青森県庁公式Xアカウントが2025年12月17日、県庁電話での「カスタマーハラスメント対策」の導入を報告した。

  • 青森県庁。カスハラ対策が注目されている
    青森県庁。カスハラ対策が注目されている
  • 青森県庁のX。毅然とした対応が支持されている
    青森県庁のX。毅然とした対応が支持されている
  • 青森県庁。カスハラ対策が注目されている
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「カスタマーハラスメント対策と、職員の電話応対の品質向上のための取組」

   青森県庁公式Xは「12/22(月)から県庁電話の通話録音と録音告知アナウンスを実施します」と報告した。22日以降は「県庁に電話をすると、『この通話はサービス向上のため録音させていただきます』とアナウンスが流れます」という。

   電話応対の仕様変更について、県は「カスタマーハラスメント対策と、職員の電話応対の品質向上のための取組です」と説明し、「皆さまの御理解と御協力をお願いします」と呼びかけている。

   県庁公式サイトでは、「県庁におけるカスタマーハラスメントへの対応について」として、詳細も公開している。

   「近年、カスタマーハラスメントが社会問題化しており、本県職員がカスタマーハラスメント被害を受ける事案も発生しているところ」と現状を説明した。

   「カスタマーハラスメントは、職員の能力発揮を阻害するとともに、本来対応すべき他の県民のご相談への対応ができなくなるなど、必要な行政サービスの提供に支障を生じさせるおそれがあります」と指摘。「カスタマーハラスメントに該当する行為に対しては、組織として毅然と対応していきます」とした。

「事案の内容に応じて、警察への通報や弁護士への相談、法的措置を検討」

   県民や事業者からの「要求や苦情」については今後も「誠意をもって、丁寧かつ親切な対応を行う」とした上で、ハラスメントに該当する行為の具体例を挙げた。

   長時間の電話や居座りなどにより理不尽な主張を行い、職員を拘束する「時間拘束型」、理不尽な要求や業務と無関係な内容について、繰り返し電話や面会を求める「リピート型」、鳴る、侮辱的な発言、人格の否定や名誉を毀損する発言を伴う「暴言・侮辱型」などがあるという。

   県庁では、カスハラに該当する行為があった場合、「状況や態様によっては対応を打ち切る」ほか、「事案の内容に応じて、警察への通報や弁護士への相談、法的措置を検討」するとしている。

「理不尽なクレームには断固として戦って」

   電話によるカスタマーハラスメントは、全国的な課題となっている。熊本県庁では1月に組織でカスハラを判断・対応する対応マニュアルを策定。カスハラの種類によって、対応を終了する目安を示した。

   山口県も12月、長時間の電話の対応打ち切りなどを認める独自の対応方針をまとめている。

   一方、青森県庁のように、電話応対の仕様変更について明確に「カスタマーハラスメント対策」を理由として打ち出すのは異例だ。

   25年秋から冬にかけては、東北・北海道を中心に、クマによる人身被害が相次いだ。近隣自治体では、ヒグマの駆除などをめぐり、過度な苦情が寄せられるなどのトラブルも報告されている。

   こうした状況下での「カスハラ対策」の発表に、SNSでは「理不尽なクレームには断固として戦ってください。県庁の判断を支持してます。職員さんを応援してます」「いいぞ! いいぞ! なんならYouTubeで広告付けて『今日のカスハラ』のコーナーで一儲けして職員でジュースでも飲んでくれや!」など、支持の声が相次いでいる。

【画像】通話録音以外にもカスハラ対策は多岐にわたる
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