「腹立つ」連発の維新・吉村洋文氏に「説得する作業をやらないで」の批判 議員定数削減見送りは「吉村代表の責任」

   臨時国会が2025年12月17日に閉幕、日本維新の会が自民党との連立を組む絶対条件に掲げてきた衆院議員定数削減は見送られた。12月18日の情報番組「サン!シャイン」(フジテレビ系)に日本維新の会共同代表で大阪府知事の吉村洋文さんが生出演、臨時国会を振り返ったが、コメンテーターから「追及」を受けることに。

  • 吉村洋文代表(2019年撮影)
    吉村洋文代表(2019年撮影)
  • 杉村太蔵さんの公式サイトより
    杉村太蔵さんの公式サイトより
  • 吉村洋文代表(2019年撮影)
  • 杉村太蔵さんの公式サイトより

ユーチューブで『腹立つ』と10回言ってもダメ

   自民・維新が共同で議員削減の法案を提出していたにもかかわらず、審議すらされずに臨時国会が終了したことで、吉村さんは16日に自身のユーチューブで「腹立つ」を連発、審議に応じない野党やテレビのコメンテーター、メディアにまで矛先は向けられた。

   苦虫をかみつぶしていたような顔でじっと聞いていたのがコメンテーターの杉村太蔵さん。「与党の代表として議員定数削減に一所懸命努力されたのはよくわかる」と前置きして「じゃあ、この国会中に立憲民主党や国民民主党、公明党の代表らや政治家とどのくらい直接議論を重ねましたか」と吉村さんに聞いた。吉村さんが「直接というのはやっているわけではありません」と言い終わらないうちに杉村さんはヒートアップ。

「本当に申し訳ないが、やっぱり国会で多数を形成しようと思ったら、いくらユーチューブで『腹立つ』と10回言っても、いくらコメンテーターを批判しても国会は合意形成の場なんだから、党の代表として、これが必要なんだということを一人ひとり説得する作業をやらないで、腹立つと言っても仕方ない」

と鋭いツッコミを入れた。そして「前から言っているように大阪府知事が与党の共同代表を兼任するのは現実的でない。なぜこれ(議員定数削減法案)が成立しなかったかと言ったら吉村代表の責任でもある。やはり(議員定数削減や企業団体献金規制など)やりたかったら国会にいくしかない」と政治と行政の二刀流にダメ出しした。

高市首相とは仲睦まじそうだが、ものすごく薄氷の連立

   杉村さんはさらに、自民党が衆院大阪選挙区で立候補者の公募を始めたことを指摘。「吉村さんと高市さんは国会では仲睦まじい感じだが、地元の大阪では自民党が維新の幹事長の選挙区にも候補者を立てる動きがある。我々はこれをどう理解していいのか。ものすごく薄氷の連立なのではないか」と問いかけた。

   吉村さんは「今までの自公連立時代のようにガチガチの選挙協力をせずに選挙は戦ったらいい。新しい連立の形だ」と説明した。高市首相は臨時国会閉会後の記者会見で今のところ衆議院の解散は考えていないと話したが、国政と地方の温度差は明らか。杉村さんが言う「薄氷の連立」は現在の与党事情を表す名キャッチコピーだ。

(ジャーナリスト 佐藤太郎)

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