回転寿司大手3社に静かな苦境...売上増だが、利益は伸び悩み 差別化&エンタメ要素で集客強化

海外展開で各社の戦略に差

   利益確保に向け、各社は海外展開を加速させているが、その戦略には違いが見られる。

   FOOD & LIFE COMPANIESは海外スシロー事業で大幅な成長を実現している。25年9月期の海外スシロー事業の売上収益は1314億円(前期比42.6%増)、営業利益は203億円(同105.1%増)と大きく伸び、全体の売上収益に占める割合は30%を超えた。

   同社は中国本土への出店を加速させており、25年度に蘇州、杭州に初出店し、12月には上海で2店舗を同時オープンするなど、中華圏での店舗網拡大を進めている。海外店舗数は25年9月期末の234店舗から、26年9月期末には300~320店舗へと大幅に増やす計画だ。

   一方、くら寿司は海外事業について米国と台湾に注力している。米国子会社は25年10月期に売上高421億円(前期比17.4%増)、経常利益1億円前期は赤字)と黒字化を達成。アジアでは台湾子会社が売上高266億円(前期比5.9%増)、経常利益12億円(同26.6%増)と堅調だ。25年10月期末現在の店舗数は米国79店舗、アジア60店舗となっている。

   ゼンショーホールディングスは「グローバルはま寿司」セグメントで、25年3月期に売上高2484億円(前期比26.1%増)、営業利益213億円(同87.0%増)と大幅な増収増益を達成。26年3月期は売上高2822億円(同13.6%増)、営業利益226億円(同6.0%増)を見込む。中期経営計画では、28年3月期の国内外あわせた総店舗数を、25年3月期末より3310店舗多い1万8729店舗まで増やす計画を掲げている。

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