明治大学体育会馬術部が飼育する馬が2026年1月5日に一時街中へと脱走し、その後自力で大学へ戻ったことが報じられ、話題になった。馬が脱走するに至った状況や、脱走が発覚してからの馬術部員の対応はどのようなものだったのだろうか。明治大馬術部のスタッフに聞いた。スタッフは、「幸運にも事故やけが人を出しませんでしたが、たまたま偶然の重なったことと受け止め、同じことが起こらないよう再発防止に努めてまいります」としている。脱走に気づいてから戻ってくるまで「30分あるかないか」8日にJ-CASTニュースの取材に応じた馬術部スタッフによると、脱走した馬は「ジェイク・ロイドM」という名前の10歳のせん馬(去勢された牡馬)だ。「映像のとおり穏やかな性格です。乗用馬として生産された馬ですので、サラブレッドのように興奮する気質ではありません」という。スタッフが当時対応した部員から聞いた話はこうだという。5日7時30分頃、部員が厩舎作業のため馬を馬場に放し、作業に取り掛かった。数分後に見たときはジェイク・ロイドMが馬場にいたことを確認できたが、さらにその数分後に見ると、ジェイク・ロイドMは馬場から姿を消していたという。部員は考えられる出入り口を確認。車の出入り口の閉鎖が解かれていたのを発見したため、周囲を走り回ったが見つからず、部員は守衛に報告した。その最中に、警察から守衛に電話があったという。一般道へ出ていたことが分かったため、探しに行こうとしたところ、ジェイク・ロイドMがパトカーを後にして帰ってきたため、確保して厩舎へ戻したという。「この間30分あるかないかです」とした。スタッフによると、ジェイク・ロイドMが出ていったとみられる車の出入口は、通常、鉄パイプで閉鎖しているが、当時は馬場の工事のため、「簡易的な通行止めを行っているだけでした」という。スタッフは、「簡易的な閉鎖であったため馬にしてみれば壊すとか脱走という意思はなく、前に進んだら出られたくらいの感覚であったと思います」と推測。「出入り口の状況の確認を怠り、厳重な対策をしていなかったこと」が脱走の原因だとした。また、「あの日以来、練習を含め馬を外へ出す場合は出入り口に車を置いて閉鎖することとしています」と、対策も説明した。一般道を歩くジェイク・ロイドMは「どこか楽しそうな様子」脱走中の目撃者もいた。J-CASTニュースの取材に応じた目撃者によると、ジェイク・ロイドMは1月5日7時42分頃、小田急小田原線生田駅前(神奈川県川崎市)の交差点付近を歩いていたという。目撃者は、「通勤時に蹄の音が聞こえたので目をやると、津久井道を登戸方面から新百合ヶ丘方面に向かって、悠然と歩くジェイクロイド号を目撃しました」と明かす。「速足で落ち着いているがどこか楽しそうな様子」だったといい、後ろにはパトカーがサイレンを鳴らさずに追走していたという。周囲は、「何かの行事かな?という感じで呆気に取られながらも静かに見守っておりました」とした。目撃者は後日、ジェイク・ロイドMに会いに行ったという。ジェイク・ロイドMについて、「とても人懐っこい様子で、初めて会う人に興味があるのか終始顔を近づけてくれました」と明かす。この時、ジェイク・ロイドMが大学へ戻る様子を映した監視カメラの映像を見せてもらったという。「ジェイク君は脱走時はもちろん帰ってくるのも1人だったようで、自ら馬術部の門を潜って帰っていました。ポツンと取り残されたパトカーがなんだかシュールで、けむに巻かれたようになっており思わず笑ってしまいました」馬術部は反省...事故やけが人が出なかったのは「偶然の重なったこと」SNSでは、ジェイク・ロイドMが自力で大学まで戻ったことも注目を集めている。この様子は監視カメラも捉えていたようだが、なぜ自力で戻れたのだろうか。スタッフは、「普段は施設の外(一般道)へ出すことはなく、馬が外の環境に慣れていたということはありません」と説明。一方で、「競技場で選手が落馬して馬が自由に走り回ったときに、柵を飛び越えて競技場内の自厩舎まで戻ることがあります」と事例を挙げ、「帰巣本能と言われていますが、考えられるのは自分がたどった道を戻ってきただろうということくらいです」とみている。なお、ジェイク・ロイドMが戻ってきた後の対応について、部員は警察の事情聴取などに応じ、速やかにスタッフへ連絡。スタッフから大学側へ報告したほか、「馬糞が落ちているとのお知らせをいただき、回収に行っています」と明かした。スタッフは、「馬が脱走したというよりも、管理側の不手際で馬が外へ出てしまう環境を見逃してしまいました」とし、「幸運にも事故やけが人を出しませんでしたが、たまたま偶然の重なったことと受け止め、同じことが起こらないよう再発防止に努めてまいります」と反省しきりだった。
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