杉並区のアパートで2026年1月15日、立ち退きの強制執行のため訪れた裁判所の執行官と保証会社の職員が、住人の男に包丁で刺され、死傷する事件が起きた。
危険を伴う強制執行の仕事だが、執行官が強制執行を行う際は、どの程度護身のための備えをするのだろうか。東京地方裁判所は、今回被害に遭った執行官の男性は「防弾防刃チョッキ等は着用していなかったようだ」とした。
「必要に応じて、警察への援助申請」などの対応
複数報道によると、保証会社の職員が死亡、執行官も胸を刺されけがをした。住人の男は「自暴自棄になった」と供述しているという。男は殺人未遂の疑いで現行犯逮捕され、殺人容疑でも捜査が進んでいる。
危険を伴う強制執行の仕事だが、執行官が強制執行を行う際は、どの程度護身のための備えをするのだろうか。
東京地裁総務課の担当者は16日、J-CASTニュースの取材に、裁判所は強制執行までに債務者(強制執行の対象者)の粗暴性について情報を収集すると説明した。
例えば、申し立て時に債権者から情報を得るほか、執行前の「催告」の際に現場を訪れた際の債務者の言動、電話や提出書面から見られる言動を注視しているという。
これらの情報から総合的に危険性を判断。「必要に応じて、警察への援助申請をするほか、複数人の執行官による対応、防弾防刃チョッキや防刃手袋の用意をします」とした。さらに、得られた情報は執行現場に立ち会う立会人や執行補助者などと共有した上で、現場に臨むとした。
今回の強制執行については、被害に遭った執行官が入院しているため状況確認中だとしつつ、
「明け渡しの際に警察への援助要請は行っておらず、防弾防刃チョッキ等も着用していなかったようだ」
とした。
なお、警察に援助を求め、警察とともに執行現場を訪れるケースは、統計はとっていないとしつつ、東京地裁本庁では「毎月数件程度」あるとした。