整形にハイブランド、早めに完成させれば「人生イージーモード」?
歓楽街は以前より18歳以上であれば「ノンアルコール営業」での採用が可能だった。20歳未満だと採用のハードルは上がるが、見た目が良ければ厳しい面接を突破できる。そして、若くして大金を稼ぐことも十分に可能。これぞ「夜職ドリーム」のひとつだ。
人生の早い段階で高収入を得て、美容整形にハイブランドで己を着飾る人が令和の今ではゴロゴロと存在する。ある意味、筆者の私から見ても非常に羨ましいが、同時にブームの中で「全て早めに完成させれば人生イージーモード」という風潮が広まっているのには、思わず首を傾げてしまう。
彼女たちの言い分としては「23歳くらいまでに稼いで、ルックスを完成させて『無双』状態まで持って行くべき」とのことで、ここに共感する若者女性が次々と夜の扉を叩いたり、整形やハイブランド購入へ踏み切る。
確かに早い段階で多くの物を手に入れたら見える景色は広いものの、まだ先は長い。強い武器を手に入れても20代のうちから「勝ち組」と定義するには早く、「イージー」が一時の夢に過ぎなかったら?......なんてことを、まずは想像すべきだ。
今キラキラ輝くナイトワーカーが、必ずしもラクな毎日を送っているとも限らない。もしかすると、一瞬のきらめきなんてことも有り得る。
美容整形にハイブランドを揃えただけで人生がイージーと言い切るのは、まだまだ精神が未熟な証拠。結局のところ、人生を彩るのは経験と人間性だ。SNSの存在に踊らされて自分らしさを見失い、世間とは外れた感覚を持つのはたいへん危険な状況なのだ。
元セクシー女優、そして夜職経験者の筆者として伝えたいのは「これらの仕事に対する神格化は良くない」というシンプルな意見だ。従来は日陰の商売扱いで偏見が多かったものが時代の流れとともに変化しただけであり、業務内容は昔も今も変わっていない。正直なところ時代の変化は「ただのラッキー」で、夜職がおおっぴらに認められたわけではないのを理解してほしい。
画面越しの輝きは、リアルな世界で直面すると「そこそこ」くすんでいる。現実を知り、「みんながやっているから」と流されないような正しい目を今の若者にはきちんと持っていただきたい、と老婆心なが思ってしまうのだ。
【プロフィール】
たかなし亜妖/2016年にセクシー女優デビュー、2018年半ばに引退しゲーム会社に転職。シナリオライターとして文章のイロハを学び、のちにフリーライターとして独立する。現在は業界の裏側や夜職の実態、漫画レビューなど幅広いジャンルのコラムを執筆中。