沖縄県内の多良間島と宮古島を結ぶ航空便などが、連日満席の状態になり、生活や仕事に支障が出ていると、島民から改善を求める動きが出ている。
原因については、マイレージをためる「マイル修行」の存在が指摘されている。便を運航するJALグループの琉球エアーコミューター(RAC、那覇市)は、2026年1月26日に増便を発表したが、綱渡りの状態が続いている。
マイレージなどを稼ぎ会員のステータスを上げる
「ホントに予約が取れないんですよ!!」。多良間島で歯科医師をしている池田英敏さんは1月21日、フェイスブックで島民の窮状をこう訴えた。
多良間―宮古間は、朝夕の2往復が運航しているが、投稿によると、50人乗りの機内は、連日満席になっており、島の仕事や生活に支障が出ているとした。2月下旬には、乳幼児健診のため医師らが来島する予定だったが、予約が取れずに延期になったと連絡を受けたという。通院や買い物などに「乗り合いバス感覚」で利用されているといい、「島民は泣いています」とその思いを代弁した。
原因としては、搭乗距離や回数を伸ばしてマイレージなどを稼ぎ会員のステータスを上げる「マイル修行」があるとみている。島に来てもすぐに折り返しの便で帰るといい、池田さんは、「宮古島市や、沖縄本島への医療機関にも通院ができない方々も多数いらっしゃる」などとして、「修行僧」と呼ばれる人たちに向けて、こうした行為を止めるように呼びかけている。
この投稿は、翌22日にX上で取り上げられ、拡散して様々な意見が寄せられている。
こうした事態に、多良間村や村議会も動いていると、地元紙も23日ごろから次々に報じた。
それらによると、2月まで満席状態で、半数以上の席が「マイル修業」とみられる利用者の日もあったという。宮古島との間には、フェリーも運航しているが、海が荒れたりすると欠航になるため、航空便を使えない不便さに不満の声が上がっている。村議会では、RACに28日に臨時便を要請する、とも報じられた。
「航空券タイムセールなどの影響は否定できない」
多良間村などが動く事態になって、RACは1月26日、それぞれ2月の計5日間で多良間―宮古便、那覇―宮古便を増便すると公式サイトで発表した。多良間―宮古便は、1日に2往復増え、倍になっている。
そして、「沖縄県内の離島を結ぶ航空会社として、保有するリソースを最大限に活用し、地域の皆さまのお役に立てるよう、ネットワークの維持・充実に努めてまいります」と理解を求めた。
この増便について、同社の広報担当者は27日、J-CASTニュースの取材に対し、「たくさんの予約をいただく状況が続き、地元の皆様から利用しにくいとのご意見がありましたので、臨時に出しました」と説明した。増便が一部に留まったことは、「多くの日時で行いたいと思いましたが、充てられる機材と人員に限りがありました」という。
連日満席になった原因として、やはり「マイル修業」の存在が一定程度あるとみており、次のように話した。
「11月のブラックフライデーに合わせた航空券のタイムセールが、この1、2月の対象でした。その後も、ダブルマイル、新春など何度かキャンペーンを行い、一部のセールは対象外でしたが、影響については否定できないと考えています」
これまで離島便は赤字路線として話題に上がることが多く、こうした事態の把握は初めてだという。
キャンペーンを見直すかは、「公平性の観点から、特定の便だけやってはいませんが、すべてのお客様に望ましいものにしたいと考えています」とした。航空便の折り返し利用を制限するかは、「送迎や荷物の受け渡しなど、仕事や生活のための利用もゼロではありません」として、難しいとの立場を示した。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)