参政党、SNS戦略に曲がり角? ツッコミ続出で反論も泥縄に...神谷代表は薄い反応に「ちょっと違和感」

   2025年夏の参院選で躍進を遂げた参政党が、得意とするSNSでの選挙戦で思わぬ苦戦を強いられている。発信した内容に誤りを指摘されるという失態が目立つ中、神谷宗幣代表はSNSでの発信が広がらないことに違和感を訴えている。

  • 衆院選で「第一声」に臨む参政党の神谷宗幣代表。情報発信のあり方が問われている
    衆院選で「第一声」に臨む参政党の神谷宗幣代表。情報発信のあり方が問われている
  • 参政党は2025年の参院選では大幅に議席を伸ばした。写真は参院選の開票センターで
    参政党は2025年の参院選では大幅に議席を伸ばした。写真は参院選の開票センターで
  • 衆院選で「第一声」に臨む参政党の神谷宗幣代表。情報発信のあり方が問われている
  • 参政党は2025年の参院選では大幅に議席を伸ばした。写真は参院選の開票センターで

「高市政権支持層こそ参政党へ」→「なんでやねん」

   参院選では石破茂首相(当時)の自民党を攻撃し、議席を大幅に増やした参政党。今回の衆院選では182小選挙区に候補者を擁立し、党勢のさらなる拡大を狙う。だが、石破氏よりも右派的な主張が強い高市早苗首相とは政策や支持層が重なる部分も多く、どのように差別化して戦うかが注目されていた。

   解散前の1月15日、参政党候補者の牧野俊一氏は「今回の選挙、高市さんを応援したいなら自民党という組織を勝たせてはいけない!」とX(旧Twitter)に投稿。元自民党衆院議員で、現在は参政党政調会長補佐を務める中川俊直氏も1月21日、Xで「高市政権支持層こそ参政党へ」と呼びかけた。

   同様の主張がSNSで拡散される中、ニコニコニュースが1月23日に公開した高校生の対談動画で、高市首相はこの風説を全否定。男子生徒の1人から「最近SNSで『高市総理を応援したいなら他の党に』みたいに盛り上がっているの見ているんですが、これって正しいんですか?」と尋ねられたところ、高市首相は「なんでやねんって。私が内閣総理大臣でいるためには他の党に1票入れられたら総理大臣でなくなります。是非とも自民党の仲間が1人でも多くいることが大事だと思っています」と苦笑しながら答えた。

   自民党との違いとしてアピールする外国人政策でも、迷走が続く。政治評論家の竹田恒泰氏が1月29日にXに「神谷宗幣さんは、移民は10%までOKと述べました。自民をはじめ他党より積極的な印象。私は10%まで容認しない考えですから、神谷さんのこの容認論は支持しません」と投稿したところ、神谷氏はこれに反論。「自民党応援団の皆さんも頑張ってますね。私は移民を10%までOKとか1200万人まで入れるとは言っていません」と断言した。

   だが、この神谷氏のポストには矛盾を指摘する声が相次いだ。25年8月に出演したYouTube番組で、神谷氏は「緩やかに外国人を受け入れるなら10%以下ではないか、との概算を我々はしていて、そこまでは受け入れていくけれども、どこかで上限を決めておかないと」と発言していた。「10%以下」、つまり、10%までは容認したと解釈できる発言で、神谷氏の反論ポストにはXの匿名注釈機能「コミュニティノート」が付けられる結果となった。

ファクトチェックに反論も...

   メディアに対する反論も、かえってボロを出す結果になっている。1月29日に朝日新聞は「CO2で気候変動、言ってるのは日本だけ」という神谷氏の発言の事実関係を「誤り」だと断じたファクトチェック記事を公開。党は公式サイトで「記事において本党からの具体的な説明は一切取り上げられず」などと反論を掲載した。だが、その内容は党の理念をひたすら並べただけで、「言っているのは日本だけ」という事実関係を裏付ける具体的な根拠が示されていない。党の公式Xには「『誤り』という結論に変わりはありません」というコミュニティノートが付けられた。

   候補者からも真偽不明の発言が相次ぐ。党から立候補している新人の工藤聖子氏は1月25日、自身のX(旧Twitter)で「スウェーデンは刑務所の98%が移民だそうです」などと投稿。党の千葉県連の公式Xも同様の内容を投稿したが、誤りを指摘され、ポストを削除する羽目になった。日本ファクトチェックセンターの検証によると、24年10月時点で21%といい、参政党の発信内容とは大きな開きがあった。

   また、食の安全を訴える発信でも失態は続いた。1月29日に党公式Xは「食料自給率100%に」との公約をアピール。だが、このポストにも具体的な数値目標、予算配分などがないとの指摘が入り、「2023年度の日本の食料自給率は38%です。これを100%に引き上げるためには特定の食品の生産を増やすか人口を減らすしか有りません」とのコミュニティノートが付けられた。これに対し、現職候補者の吉川里奈氏は「出来るできないじゃない、やるんだ!!」と精神論で引用コメントを付けるだけだった。

   25年の参院選では躍進を支える原動力となったSNSでの発信に苦しむ現状に、神谷氏は違和感も口にしている。各社報道によると、1月31日、堺市で記者団に対し「参院選より聴衆は多く、党員の熱量も高いが、SNSの発信が全然広がっていない。ちょっと違和感がある」と漏らした。この主張にXでは「もう飽きられてて草」「単純に人気が無くなったんじゃないの?」など、右派層からも突き放したようなコメントが散見される。

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