高市首相「円安ホクホク」発言は国内産業構造とズレている いまや多くの企業は「海外で作って、海外で売る」

海外の投資家は、選挙後のさらなる円安に備えている

   こうした日本のリーダーの認識不足を、海外のメディアも厳しい目で見ている。2月2日付けのアメリカ経済メディア・ブルームバーグは、首相の発言が「政府に円安を止める意思がないこと」を世界に示してしまい、市場の混乱を招いたと批判している。

   さらに危ういのは、2022年にイギリスで起きた「トラス・ショック」の再来ではないかと警戒されている点だ。

   当時のイギリスのリズ・トラス首相は、財政の裏付けがないまま大きな減税などのポピュリズムにおもねった政策を打ち出し、結果として通貨と国債の価値が暴落して市場をパニックに陥れた。

   前出のブルームバーグでは、「2月8日の衆議院選挙を前に、トレーダーは日本市場のボラティリティ(価格変動の度合い)が上昇する事態に備え始めている」とし、円安基調に拍車がかかることを懸念している。

   すなわち、このまま「円安でもホクホクだ」と楽観視し続ければ、日本の円や国債が世界中から売られる「トリプル安」という最悪の事態を招きかねない。

   政治に求められるのは、帳簿上の数字を見て喜ぶことではないはずだ。中小企業や、物価高に苦しむ国民の暮らしを見捨てないための、現実を見すえた対策こそが今、必要とされている。

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