「ドタキャン」騒動でも圧勝の高市首相、持病の「関節リウマチ」とは? 「日常生活に支障」も...啓発団体に聞いた実態

   高市早苗首相率いる自民党が圧勝した衆院選(2026年2月8日投開票)では、選挙戦終盤の2月1日に、与野党党首が生出演・議論を交わすNHK番組「日曜討論」を急遽欠席する騒動があった。遊説で痛めた腕を治療するためだとして、「関節リウマチ」の持病があるとも説明している。

   関節リウマチは免疫異常で関節に炎症が起き、骨や軟骨を壊す病気として知られ、高市氏自身は足の一部が人工関節だと過去に公言していた。どのような病気か、啓発団体に実態を取材した。

  • 高市早苗首相(2025年9月撮影)
    高市早苗首相(2025年9月撮影)
  • 手の指にテーピングを施した高市氏。本人のX(@takaichi_sanae)より
    手の指にテーピングを施した高市氏。本人のX(@takaichi_sanae)より
  • 手の指にテーピングを施した高市氏。本人のX(@takaichi_sanae)より
    手の指にテーピングを施した高市氏。本人のX(@takaichi_sanae)より
  • 高市早苗氏のX(@takaichi_sanae)より
    高市早苗氏のX(@takaichi_sanae)より
  • 高市早苗首相(2025年9月撮影)
  • 手の指にテーピングを施した高市氏。本人のX(@takaichi_sanae)より
  • 手の指にテーピングを施した高市氏。本人のX(@takaichi_sanae)より
  • 高市早苗氏のX(@takaichi_sanae)より

「手を強く引っ張られて痛めてしまいました」

   日曜討論は9時~10時15分放送で、番組公式Xが7時に投稿した告知には、党首の1人として高市氏の名前が並んでいた。しかし欠席となり、自民党の公式Xは「昨日の遊説中に腕を痛め、治療にあたるため」と謝罪した。

   11時近くになって、高市氏は「実は、ここ数日の遊説会場で、熱烈に支援してくださる方々と握手した際、手を強く引っ張られて痛めてしまいました。 関節リウマチの持病がありまして、手が腫れてしまいました」と説明。医務官を呼んで薬を塗り、テーピングしたといい、昼からは予定通りに岐阜・愛知で遊説を行った。

   一連には政治家から、「昨日、選挙中の握手で腕を痛めたというが、ならばなぜ連絡が今朝になってなのか」(共産党・山添拓政策委員長)、「この後、街頭演説などをしたら、『討論から逃げた』と必ず叩かれる。私も残念に思いました」(参政党・神谷宗幣代表)、「日曜討論ドタキャンでも遊説はするための言い訳投稿。面の皮厚さMAX!」(れいわ新選組・大石あきこ共同代表)、「嫌なものからは逃げ、やりたい事だけはやる。ワガママなお姫様」(社民党・ラサール石井副党首)──といった声が出た。

   騒ぎが広がる中、Xでは「リウマチが『ドタキャン/逃げた』というワードと結びつけられて揶揄される状況は凄く辛い」「痛みや苦しみは外からは見えない」などの意見や、リウマチへの理解不足を訴えるユーザーも少なからずいる。

起床時に全身の関節「こわばり」、徐々に痛み和らぐ傾向

   病気が生活に及ぼす影響について、関節リウマチの啓発活動を行う「公益社団法人 日本リウマチ友の会」会長の門永登志栄氏は4日にJ-CASTニュースの取材に応じた。痛みの感じ方は個人差や波があるとしつつ、具合が悪い場合の症例を、

「手指が痛いと体全体がすごく大変、動きもできない。朝起きた時の布団が上げられない。ひどい時は、トイレに行って下着を下ろすのは、なんとかやっと下せる。上げることはできません。手指が痛いのはそれだけ大変なんです。私も何度も経験しましたけど、トイレで泣きそうになって、家族を呼んで上げてもらったこともありました」

と説明した。ほかには「使い痛み」があり、「例えば庭の草取りをすると、指先が痛くなります。肘も手首も全部痛くなる。腰はもちろん足も、体全体の関節が痛くなる」「ひどい時もですが、寛解状態でも、手指・体・関節を使いすぎると炎症が起きて、日常生活に支障がきます」──。基本はズキズキとした鈍痛で、瞬間的に手指の痛みが腕まで響くような「激痛」を感じる。門永氏は罹病して50年以上経つ寛解状態だが、未だに握手をすると手指の関節が非常に痛むと明かした。

   一方、リウマチは1日の中でも症状の程度が変わるとし、主な傾向として「朝、起きがけに『こわばり』があって動きにくい」と述べた。寝ている間体を動かさないため、全身の関節が動きにくい状態となり、腫れてこわばってくるという。

「朝は大変ですが、徐々に徐々に、痛み・こわばりが少なくなってきて動きやすくなるというのは、だいたいリウマチ患者の皆さんが経験しておられるのではないでしょうか」

   痛みのある時の対処法として、ステロイドを飲む、塗る、消炎鎮痛効果がある薬を飲む、湿布を張るといった対処法を挙げ「薬、テーピングの効果は本当にあります。それをすることによって痛みがずいぶんと和らぎ、その場をしのぐこともある」。そうすることにより動けるようになると説明した。ほかには、風呂に入ったり手や体を温めると痛み・こわばりが和らいでくるとのこと。

「今は本当にお薬が良くて」社会進出がすすむ現状

   リウマチは痛みが数値化されず、一見して分かりにくい。中には隠したがる当事者もいるというが、「今は本当にお薬が良くて、リウマチ患者もずいぶん社会進出できる時代になってきています」とみている。

   具体的には「近年、生物学的製剤やJAK阻害薬など高額だがたくさんの良いお薬が出ていて、コントロールできるようになり寛解も目指せるようになってきている」とのこと。

   その生物学的製剤やJAK阻害薬は高額だという。政府が26年8月から段階的に「高額療養費制度」の自己負担限度額を引き上げる見直し案を決めたことに触れ、門永氏は「現在リウマチは良いお薬のおかげで寛解が目指せるようになってきてはいますが、生涯付き合っていかなくてはいけないだろう病気です。薬が高額なため躊躇しながら使用している患者がいる中で、これ以上高額療養費制度の上限額が引き上げられると、使いたくても使えない患者が出てくるのではないかと懸念します。こういったことも、世の中の方に分かっていただきたい」と呼びかけた。

「病を持った方に想いをはせて」

   高市氏の行動に関しては「体調がどうなのかは分かりませんから、私はそれに関しては何とも言えない」と答えている。

   他方、一般論としての注意喚起は、

「リウマチに限らず、病を持った方にもうちょっと想いをはせてほしい」「そういう人だって、色んな思いがあって、色んなことをしたい」

と切実に訴えた。病気を抱えて「志」を持った人を当事者以外が批判することは、「病気のある方は何もしてはいけないのかということにつながる」と懸念している。

   役職という立場には「責務がある」と指摘しながら、「体調が悪いのを承知の上で受けているわけです。コントロールできない部分もあるかと思いますが、精いっぱい責務を果たそうとします」と一定の理解を求めた。

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