自民党総裁の高市早苗首相を描いたグッズがNHK放送センター(東京都渋谷区)内で職員向けに販売されていたとして、政治的中立性に欠けるのではないかとX上で指摘があり、論議になっている。これらのグッズは、NHK共済会が職員の福利厚生用に開いた「奈良県物産展」で販売されていたという。NHKの広報局は、「商品は業者が選定し、販売しています」と取材に強調し、「個別の販売内容への問い合わせについては回答する立場にありません」とコメントした。「これNGでは」「普通に奈良グッズやろ?」「奈良県の上に立っています」。これは、高市首相が奈良県の地図の上に立つ様子をデザインしたキーホルダー商品のキャッチフレーズだ。Xの投稿によると、売り場では、こんなポップが飾られ、「置いているだけでなんか元気をもらえそう」などとPRした。首相の出身地、奈良の土産として、1470円(税込)で売られていた。このほか、「気合を入れたい時」用に使うというシール、野球のグローブを再利用したというキーリングがそれぞれ300円、1100円(いずれも税込)で陳列されていた。これらは、「サナ活」と呼ばれる関連グッズで、地元の企業が手がけている。物産展は、2026年2月12、13日に放送センター内のエントランスホールで開かれた。その初日には、これらの商品を並べた様子を撮った写真がいくつかX上で投稿され、公共放送としての政治的中立性に欠けるのではないかと一部で指摘されている。「これNGでは」「NHKの職員、何も思わないのか?」「ちょっと信じられない」と同意する声が出たほか、「普通に奈良グッズやろ?」「職員が給与で何を買おうが勝手」とする意見も出て、議論になっている。「商品は業者が選定し、販売しています」朝日新聞の25年12月9日付ウェブ版記事によると、NHK政治部出身の井上樹彦(たつひこ)新会長は、放送センターでこの日に行った会見で、会長任命を受けて、「政治的圧力に屈したり、忖度したりすることは、報道機関の生命線を切り捨てること。独立性を記者として一貫して堅持してきたし、今後も守っていく」などと抱負を語っていた。NHK内でのサナ活グッズ販売は、政治に忖度したり独立性を失ったりすることにはならないのだろうか。物産展について、NHKの広報局は2月13日、J-CASTニュースの取材に対し、福利厚生事業の一環として共済会が行っていると説明した。物産展の内容については、「社内販売を行う業者からの申し出に基づいて契約し、商品は業者が選定し、販売しています」と答えた。サナ活グッズ販売の政治的中立性をどのように考えているのかなどについては、「個別の販売内容への問い合わせについては回答する立場にありません」と述べるに留まった。NHK共済会も17日、取材に答えたが、「全国各地の物産展については、事業者の申し出に基づき契約し、商品は事業者が選定しています」とNHK本体と同じ説明を述べるだけだった。(J-CASTニュース編集部 野口博之)
記事に戻る