実業家・溝口勇児氏が主宰するNoBorder DAOのJapan is backプロジェクトの一環で、京都大学の藤井聡教授の提案のもと 、NoBorderは2026年2月25日にソラナ(Solana)上で「サナエ・トークン(SANAET)」を発行した。
これに対し、高市早苗首相は3月2日に自身のX(旧ツイッター)で注意喚起した。「名前のせいか、いろいろな誤解があるようだが、私は全く存じ上げない。何らかの承認を与えたこともない」と自らの関与を完全否定した。金融庁も調査に動き出したようだ。
金融庁にとっては「絶好の案件」「渡りに船」
この種の話について、法的な整理をするのが第一歩だ。現時点での暗号資産の法規制については、支払い手段としての利用を想定し資金決済法で行っている。具体的には資金決済法で販売など取扱業者には交換業者に登録を要する(63条の2)とされているだけで、発行自体については原則規制なしだ。
次に、法規制の動向を見ておこう。25年12月10日金融庁の金融審議会(首相の諮問機関)の作業部会で、暗号資産(仮想通貨)規制について、新たに金融商品取引法に位置づけ、発行者へのディスクロージャー、取扱業者を証券会社並とする業者規制、未公開情報をもとに売買するインサイダー取引を禁じるなど市場の健全性を確保することを柱とする報告書が公表された。今国会でこうした内容の法改正が提出される予定であった。
いってみると、今の暗号資産についての法規制は不十分な状態であり、その中で社会的に影響のある形で問題が出てきたわけだ。金融庁としてみれば、新たな法規制の導入の説明には絶好の案件であり、渡りに船だろう。