もはやカリスマ経営者は生まれない?
かつてカリスマ経営者は、社会に新たな波が起こったときに登場した。
なぜなら、まだ世間が理解しきれていないイノベーションを起こした企業の成功をマスコミが伝えようとするときに、経営者個人の物語として語ったほうが広く理解しやすいからだ。
たとえば、2000年代に訪れたIT分野のカリスマ経営者たち、ソフトバンクの孫正義氏、楽天の三木谷浩史氏、そして旧ライブドアの堀江貴文氏らもそれにあたる。
物議を醸す大胆な投資戦略を続ける孫氏、後発でモバイル事業に乗り込んだ三木谷氏はともに、現在も大企業の経営者として存在感を保っているが、ライブドアを率いた堀江氏は、現在もメディアの中で発言力を持つ人物ではあるが、カリスマ経営者という立場とは異なる位置にいる。
しかし現代は、カリスマ経営者が登場しづらい時代となりつつある。
コーポレート・ガバナンス、持続的成長、組織の透明性などが以前より重視されるようになり、企業の成果を一人の経営者の個性だけで説明することが難しくなっているからだ。
こうした変化は、カリスマ経営者という存在そのものが、時代の要請から外れつつあることを示しているのかもしれない。
果たして、かつてのような強力なリーダーシップを持ったカリスマ経営者は現れるのだろうか。
ニデックの永守氏は会長退任にあたり、以下のような言葉を残している。
「我が愛するニデックに栄光あれ」