イラン情勢の緊迫化によって原油価格の高騰が進み、多くのエネルギー資源を輸入に頼る日本は、かつてないほどの試練に直面している。
そうしたなかで日米首脳会談が行われ、日本はアラスカ産原油の増産や次世代原子炉分野など、アメリカのエネルギー分野に対し、最大11兆円規模という桁違いの投資を行う方針を確認した。
世界的危機をしたたかに利用する中国
こうした状況下のエネルギー安全保障にとって脅威となるのが、中国の存在だ。
日本の足元で起きている問題を直視する前に、まずは中国が現在の世界的危機をいかにしたたかに利用しているかを確認しておきたい。
中国は、「影の船団」と呼ばれる偽装タンカー群を駆使し、アメリカの制裁網を無視してイランから底値で原油を大量に買い付けていると指摘されてきた。
制裁下で買い手の乏しいイラン産原油を安く買い叩くことで、中国は自国のエネルギーコストを抑え込み、経済的優位性を密かに高めているというのである。
さらに、アメリカの関心がイラン対応やイスラエル防衛に向いているなか、日本にとって大きな懸念となるのが東シナ海のガス田問題だ。