高市早苗首相の情報発信のあり方は、予算成立後の説明でも課題が浮き彫りになっている。高市氏は、いわゆる「ぶら下がり取材」に応じる機会が歴代の首相に比べて少ないと指摘されており、週末を中心にXで自らの見解を説明することが多い。首相官邸ウェブサイトによると、高市氏は予算成立後の2026年4月7日夜に「会見」を開いた。だが、歴代政権が予算成立後に開いてきた記者会見に比べると、時間も参加者も限られたものだった。各社が報じる首相動静では「記者会見」ではなく「報道各社のインタビュー」と表記された。フリー・ネットメディアに連絡なし、会見室より狭い官邸の一室で...歴代政権では予選成立後、首相官邸の会見室で、内閣記者会以外にも事前登録したネットメディアやフリーランスの記者が参加できる記者会見を開いてきた。これに対して、26年度予算の成立後は、高市氏は記者団を前に説明の機会を設けたものの、場所は会見室よりも狭い官邸内の一室で、フリーランス記者やネットメディアには事前告知されなかった。J-CASTニュースも、官邸で記者会見が開かれる際は、加盟する日本インターネット報道協会を通じて連絡があるが、今回は連絡はなかった。官邸ウェブサイトによると、行われたのは「令和8年度予算成立及び中東情勢への対応等についての会見」。これに対して、朝日新聞や日経新聞、時事通信の「首相動静」では、いずれも18時58分から19時20分まで「報道各社のインタビュー」が行われたと伝えている。この22分のうち、12分が高市氏の冒頭発言だった。幹事社のテレビ朝日が7問を一気に質問し、高市氏が答えた後に朝日新聞が予算審議時間の短さを質問。質問したのは2人にとどまった。「歴代の政権と比べて多いとか少ないとか、こういうことを私は承知をしていない」幹事社質問の中に、取材対応が減少していることを指摘するものもあった。高市氏は「歴代の政権と比べて多いとか少ないとか、こういうことを私は承知をしていない」とした上で、「国民の皆様に必要な情報をお伝えする方法も多様化してきているのではないか」などと反応。深夜や休日のポストについては、「(記者の)皆様のお手を煩わせるようなことがないように、タイムリーに、今、発信したいなということもある。リプライ機能から国民の皆様のお声を直接受け止めるということもできるので、一定の有効性があるとは考えている」と話した。岸田政権では約1時間、外国メディアや地方紙11人が質問では、これまでの歴代政権の予算成立時の対応はどうだったか。25年度予算が成立した25年3月31日には、石破茂氏が2分25秒にわたって、官邸エントランスホールで発言している。この時は質問を受けなかったが、翌4月1日に改めて会見室で記者会見を開いている。時間は約47分。フリーランスやネットメディア記者も参加できた。ただ、質問できたのは新聞社とテレビ局のみ。幹事社の日本テレビ、読売新聞に続いて、日経新聞、CBCテレビの4人が指名された。それ以外も挙手する記者がいたが「この後の予定がございますので」と時間切れになった。岸田政権では、さらに時間が長く、質問できた人も多かった。24年度予算成立にあたって24年3月28日に開かれた会見の時間は55分ほどで、11人が質問。冒頭の幹事社2人に続いて、外国メディア(ロイター)、地方紙(信濃毎日)、ネットメディア(ビデオニュース)など、質問する記者の属性も多様だった。(J-CASTニュース編集委員兼副編集長工藤博司)
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